富士フイルム、超音波画像診断分野に参入 、メディカル・ライフサイエンス事業拡大

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富士フイルムは10月27日、超音波画像診断分野に参入すると発表した。
富士フイルムメディカルを通じ、高画質と小型化を両立させたフルデジタル超音波画像診断装置を発売する。
超音波検査は腹部検査、乳腺・甲状腺検査、産婦人科などの幅広い臨床領域で使われており、特に近年、女性の乳がん罹患率が増加しているため、乳腺超音波検査のニーズが高まりつつある。

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富士フイルムの事業領域は
①イメージングソリューション分野、
②インフォメーションソリューション分野、
③ドキュメントソリューション分野の3つで、

①はカラーフィルム、デジタルカメラ、フォトフィニッシング機器、現像プリント用のカラーペーパー・薬品・サービス等の従来からの同社の事業領域。③富士ゼロックスによる事業。

②のインフォメーションソリューション分野は、医療診断用・ライフサイエンス機材、印刷システム機材、フラットパネルディスプレイ材料、記録メディア、光学デバイス、電子材料、インクジェット用材料等から構成されている。

 

同社は、「先進・独自の技術をもって、人々のクオリティオブライフのさらなる向上に寄与していく」という企業理念のもと、メディカル・ライフサイエンス事業を主要な事業領域の一つとしてグローバルに事業展開している。

・世界に先駆けてデジタルX線画像診断システム「FCR」(Fuji Computed Radiography)を開発
・FCRやCT、MRなどの各種画像診断機器で撮影された医用画像をネットワーク上で管理する医用画像情報システム

FCRの技術をライフサイエンス機器として発展させたバイオ・イメージングアナライザー「BAS」、
・フルオロ・イメージングアナライザー「FLA」、
・ルミノ・イメージングアナライザー「LAS」、
・前処理した血液などの各種サンプルから高速・高純度・高収量で核酸を抽出する画期的なシステム「QuickGene」、
・写真化学反応を使った血液生化学検査システム「富士ドライケム」
・ヘルスケア分野への新規参入
・創薬ベンチャーのペルセウスプロテオミクスへの出資
・放射性医薬品のリーディングメーカーである株式会社第一ラジオアイソトープ研究所の100%子会社化

最近のトピックスは以下の通り。

2003/8 独シェーリングと共同で、乳がんの早期発見を容易にする蛍光造影剤を開発
  富士フィルムの感光材料技術とシェーリングの造影剤技術を融合、従来のエックス線診断では見つけにくいがん細胞だけを浮かび上がらせる毒性のない蛍光造影剤を開発。
   
2005/10 治験支援大手シミックと新会社富士フイルム・シミックヘルスケア設立
  富士 60%/シミック 40% 出資で、シミックが持つ医薬品の治験ノウハウを富士の新製品開発に生かす。
   
2006/2 創薬VBに出資 がん・糖尿病薬開発
  東大教授らの医薬品技術をもとに研究用試薬などを開発するベンチャー、ペルセウスの第三者割当増資を引き受け、発行済み株式の22%を持つ筆頭株主に。
  共同で癌や糖尿病の治療に使う副作用の少ない抗体医薬品の開発に取り組む。
   
2006/9 第一三共から第一ラジオアイソトープ研究所を買収
  放射性医薬品、および放射性標識化合物の研究、開発、製造、販売、輸出入などの事業を行っており、画像診断領域での貢献期待。
   
2006/7 「FCRシステム」が乳房X線撮影用途で米国FDAの市販前承認申請に対する認可PMA)を取得
  コンピューテッドラジオグラフィ(CR)方式のシステムとして、世界で初めて同用途でのPMA認可取得
   
2006/9 ヘルスケア分野に参入
  写真感光材料の開発研究で蓄積したコア技術を活用
  ・FTD技術
   機能的に配合したFormulationを、新鮮なまま安定した状態で狙った場所に(Targeting)、タイミング良く Delivery
   (「油溶成分可溶化」、「ナノ分散・乳化」、「安定化(酸化/熱/水分に対して)」などの多くの技術)
  ・活性酸素の制御 
   写真の化学の原理で、ビタミンCを還元剤として活用した活性酸素の制御
  ・コラーゲンの研究
   フィルムの主原料は体の構造体のコラーゲンと同成分で、ヒトと全く同じコラーゲンペプチドを遺伝子工学で創ることに成功
   
  第一弾として、機能性スキンケア化粧品、機能性体内ケア食品を発売。
   
2006/10 東京大学「生体認識分子工学」講座を開設
  寄付講座「生体認識分子工学(富士フイルム)」が開設
 

上田助教授が開発した、生体が作り出す分子認識素子である抗体(免疫グロブリン)の能力を最大限に引き出す新規な免疫測定法「オープンサンドイッチイムノアッセイ(OS-IA)法」をもとに、この方法に適した目的物質(抗原)との親和性の高い抗体を作製する技術および、その利用技術を開発。

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キャノンは遺伝子診断事業に参入する。
米国現地法人の100%子会社、Canon U.S. Life Sciences が特定の遺伝子を1時間で検出できる技術を開発、病気の診断や薬の副作用が発生する可能性の有無を調べる装置に応用する。米ベンチャーのCaliper Life Sciencesから遺伝子増幅などの技術供与を受けた。 
キャノンは今後の成長戦略として医療・バイオ分野を強化する方針を掲げている。

同社は眼科機器、X線機器、医療画像記録機器等の医療機器を既に扱っている。

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オリンパスの事業にも、医療分野、ライフサイエンス分野がある。

オリンパスメディカルシステムズは、1950年に世界で初めて胃カメラを実用化して以来、直接体内を観察できるファイバースコープ、ビデオスコープを開発、現在は、診断にとどまらず種々の治療を行うための処置具や治療機器、さらに内視鏡下外科手術用機器に至るまで、開腹せずに処置・治療する低侵襲の診断治療事業を幅広く展開している。

ライフサイエンスでは、顕微鏡で培った遺伝子・タンパク質の解析技術・ノウハウ、さらに分析機で培ったシステム化技術・臨床展開のノウハウ等、入口となる研究領域から出口である臨床まで、すべてを基礎から把握しているという財産を活用する。

2002/11 再生医療事業に参入
  培養骨・多検体自動細胞培養装置の販売を目指す
   
2004/9 オリンパスバイオマテリアルを設立
  人工骨補填材や培養骨など、生体材料事業、再生医療事業および関連製品の研究開発、製造、販売に特化
   
2004/11 内視鏡の適応拡大と進化を目指すカプセル内視鏡と周辺技術を開発
   
2005/5 骨補填材事業買収
  住友大阪セメントが製造し、住友製薬が販売する骨補填材の事業部門をオリンパスバイオマテリアルが買収
   
2006.7 グローバルな免疫検査分野に本格参入
  生化学分析装置の技術・ノウハウを活かした免疫検査装置「AU3000i」と専用試薬をグローバルに販売(当初、欧州から)
   

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ペンタックスにもライフケア事業がある。

事業内容は、内視鏡、メディカルアクセサリー、骨補填材、充填剤の製造、販売。

同社は生体内で自然に消失しながら自分の骨に置き換わる次世代人工骨「生体置換型有機無機複合人工骨」の開発ならびに実用化を目指し科学技術振興事業団から委託開発企業に選定された。

2004年6月には、三菱マテリアルの生体材料事業(セラミックス人工骨の製造および販売)を買収している。

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