中国でエチレン増設相次ぎ完成、新規着工も

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中国でエチレンの増設が相次ぎ完成した。また、新増設の着工も相次いでいる。

蘭州石油化学(増設)

PetroChina の子会社蘭州石油化学の新しいエチレンプラントが10月に甘粛省蘭州市で完成し、11月からオンスペック生産を開始した。

同社は既存エチレン24万トンに対し、当初36万トン能力の増設を検討したが、最終的に45万トンに変更した。その結果、完成後の能力は
69万トンとなった。投資額は約7億9千万ドル。

原料は自社の年1,050万トンのリファイナリーから供給する。

同社の既存及び増設能力は以下の通り。

製品 能力
(千トン)
 増設
エチレン    240   450
butadiene      90
gasoline hydrogenation     340*
HDPE    140  
LDPE     40   200
LLDPE     60  
LL/HD     300
SM     60  
PP     40   300

 Gasoline hydrogenation 340 千トン
  (うちガソリン207.5千トン、C5 92.3千トン、C9 33千トン)

なお、同社では2010年までに、精製能力を1200万トンに、エチレンを100万トンに増設する計画を持っている。

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茂名石化(増設)

シノペック子会社の茂名石化が広東省茂名市で建設していた年産64万トンのエチレンクラッカーが10月にスタートし、オンスペックとなった。既存の36万トンと合わせ、合計能力を100万トンとした。

製品 能力
(千トン)
増設
エチレン   360  640
HDPE/LLDPE   175  250
LDPE   100  
HDPE    350
MEG   100  
SM   100  
ブタジェン    150
PP   170  300
芳香族   150 →460

25万トンのLDPEは建設中で、2007年第1四半期にスタート。

中国政府はエチレンの中長期育成計画を設定、大規模エチレンの新設を進めるとともに、既存プラント中規模プラントを拡張し、100万トンに近い能力に引き上げる方針。

2006/10/19 「シノペック茂名石化、新エチレンクラッカー稼動」 参照

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新増設の着工も相次いでいる。

盤錦エチレン(増設)

華錦化工集団(HuajinChem:通称盤錦エチレン)は遼寧省盤錦市のエチレン能力を拡大する。CNPC傘下の建設会社、中国HuanQiu 工程公司と新エチレンプラント建設の契約を締結した。来年3月に鍬入式を行い、2008年末に完成の予定。
当初は現状18万トンに対して30万トンプラントを新設する予定であったが、45万トンプラント新設に変更、完成後能力を
63万トンにする。


華錦化工集団は遼寧省政府所有企業であったが、本年第1四半期に中国北方工業公司(CNGC:China North Industries Group Corporation)に吸収合併された。
 
CNGCは国営企業で主業務は中国軍への兵器納入であるが、民事用の機械、化学品、建設機械、その他も扱っている。新エチレン計画用の原料はCNGCが海外市場から調達すると見られている。

 華錦化工集団は当初のエチレン能力16万トンを昨年末にデボトルネッキングで18万トンにしている。

製品 能力
(千トン)
 増設
エチレン 160→180   450
PE    130   130
SM     75  
PP     70   120
PS     30  
ABS     50  
アンモニア    900  
尿素   1,500  

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鎮海煉油化工(新設)

シノペック鎮海煉油化工(ZRCC)は6日、浙江省寧波市の鎮海地区で100万トンのエチレンクラッカーの起工式を行った。同社は当初、80万トンの計画を立てたが、後に100万トンに修正した。総投資額は約27億5千万ドルで、2009年末か2010年初めにスタートする予定。

原料ナフサは自社で賄う。同社では対岸の上海ケミカルパークのSECCOの90万トンエチレン用にパイプラインで年間100万トンのナフサを供給しているが、精製能力を年間18.5百万トンから20百万トンに増強したため、問題なしに供給できる。

誘導品計画は以下の通り。
このうち、SM/PO及びPGについては、Lyondell と50/50JVで起業化する予定。既にJVは設立しており、現在政府の認可待ちとなっている。

HDPE/LLDPE  450 千トン
PP  300 千トン
MEG  650 千トン
BTX  500 千トン
Butadiene  150 千トン
SM (jv)  600 千トン
PO (jv)  280 千トン
PG (jv)  100 千トン

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福建石化計画(新設)

福建石化・石油精製計画は2005年7月に福建省泉州(Quanzhou)の現地で起工式を行ったが、中国の報道によると、80万トンエチレンクラッカーの建設工事が本年11月に始まった。
エチレン技術は
Sinopec Group ABB LUMMUS Global の共同開発技術とのこと。

同計画はExxonMobilが25%、Saudi Aramcoが25%、Fujian Petrochemical (福建煉油)が50%出資。(後者はSinopec 50/福建省政府50のJV)

福建煉油の既存の製油能力を400万トンから1200万トンに拡張するとともに、エチレン80万トンのクラッカー、65万トンのPE、40万トンのPP、100万トンの芳香族プラントを建設するもの。投資額は35億ドル。

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このほか、着工済み、認可済みの新増設計画は次の通り。

CNPC Dushanzi Petrochemical(新疆独山子石化)

  既存 220千トン、増設 1,000千トン 
  
2005/8 着工
  原料ナフサ用の原油は
Kazakhstanからパイプ輸送

CNPC Fushun Petrochemical Co (撫順石化)

  既存 175千トン、増設 800千トン
  2006/3 認可

Sinopec Tianjin Company天津分公司)
  旧称 Sinopec Tianjin United Chemical Co (天津聯合)

  既存 200千トン、増設 1,000千トン
  2006/6着工

Chengdu Petrochemical Co (成都石油化学) (新設)
  PetroChina 51%/成都市 49%

  2006/2着工

エチレン  800千トン
HDPE  300
LLDPE  300
MEG  360
DEG  360
トルエン   90.2
キシレン   60.4
ブタジェン  150
ブチルゴム  150
オキソアルコール  290
アクリル酸  190
アクリレート  220
フェノール  180
アセトン  110
BPA  130

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