BASF、ドイツ企業から欧州企業へ

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BASFは2月27日、ドイツ企業から「欧州会社(Societas Europaea, SE)」に変身し、社名をBASF AG(BASF Aktiengesellschaft )からBASF SE にすると発表した。4月26日の株主総会に議題として提出することを決めた。本社は今まで通り、ドイツのLudwigshafen に置く。

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欧州の複数の国で事業を行っている大手企業は、各国の国内法の下での会社設立に代わって、欧州法の下での「欧州会社」として設立できるようになることが、2001年10月8日の欧州閣僚理事会において決定され、2004年10月施行となった。
正式名称はラテン語で
ソシエタス・ヨーロピアSocietas Europeae)で通称は‘SE’。
この構想は、30年にわたり懸案となっていたもの。

SEは欧州全域において事業展開することができ、すべての加盟国に直接適用される欧州法に準拠する。
欧州会社法は二つの法令(legislation)から構成され、一つは会社法の諸条項を制定する規則(regulation=加盟国に直接適用される)、もう一つは労働者の経営参加に関する指令(directive=各加盟国の国内法として採択されたのち施行される)。

欧州会社は登録住所の置かれた加盟国において登録され、複数の加盟国にある既存企業を合併し、同じ規則と統合化された経営・報告システムの下に、EU全域で事業を展開することができる。(現在は他の国で子会社を設立)
   
また、法的制限を伴うことなく欧州域内のリストラクチャリング、事業再編および事業統合を柔軟に行うことが可能となる。
(子会社設立、解散、合併などの代わりに、単に事務所の設置、廃止、統合をすれば済む)
事業環境が変化した場合は、他の加盟国へ本社を容易に移転することが可能となる。
   
更に、子会社の場合は親会社又は他の子会社との取引では付加価値税(VAT)が課せられるが、欧州企業の場合は社内取引となるためVATは課せられないというメリットもある。
   
法人税課税は各国の税法に従い、他のすべての多国籍企業と同様に取り扱われる。
   
SEは上場する必要はなく、非公開企業も中規模企業もSEになることはできる。最低資本金は12万ユーロ。

 

今までに欧州会社になった企業には、ドイツの保険会社 Allianz、フィンランドの電機会社 Elcoteq、スウーデンの金融サービス会社Nordea、ノルウエーのバッテリーメーカーNarada Europe などがある。


参考 Statute for a European Company http://europa.eu/scadplus/leg/en/lvb/l26016.htm
    オランダ経済省企業誘致局 レポート 
http://www.nfia-japan.com/report/se.html

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