Akzo-ICI 問題のその後

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2007/6/19 ICI、Akzo Nobel による買収提案を拒否 で、Akzo Nobel が ICI に内々に買収の提案をして拒否されたことを伝えた。

報道によると、Akzo は64日に72億英ポンド(約1兆7500億円)での買収提案をしたが、ICI は安すぎるとして断ったとされる。
Akzo Nobel は 「ICI も含め、戦略的機会を今後引き続き検討する」とした。

その後、Akzo Nobel は主要株主と協議しているが、まだ決定に至っていない。
周辺では81億ポンドで ICI は売るのではないかとか、84億ポンドは必要だとの声が出ている。
ICI 側ではパックマン方式で逆にAkzoを買収する考えも出ているといわれている。

両社ともに主要事業に
塗料事業を持っている。Akzoの塗料事業 Crown は英国でのシェアは約14%、これに対して ICI のDulux は40%のシェアを持つ。もしAkzoが買収した場合には、独禁法の問題で自社のCrownを売却する必要があるとの見方もある。

 

事態が長引くのを恐れたICI は、この問題を英国公開買付パネル(The Panel on Takeovers and Mergers)に持ち込んだ。

パネルは1968年につくられた民間の専門家によるTOBの自主規制機関で、TOBと合併に関して、ルールブック(City Code on Takeovers and Mergers )を作成・管理し、TOBで全ての株主が公平に扱われるよう監視する。委員長は歴代、大手投資銀行のM&Aバンカーが持ち回りで務めている。
英国会社法(Companies Act 2006)のPart 28、Chapter 1 が準拠法となっており、TOBに関するEC指令(EC Directive on Takeover Bids
2004/25/ECに基づき判断する。

パネルは7月6日、Akzo Nobel に対して、8月9日午後5時までに態度を明らかにするよう命令した。
英国紙は“put up or shut up”ultimatum
(提案するか黙るかの最後通牒)と呼んでいる。 
もし、AkzoがそれまでにTOBのオファーを行わない場合には、同社は6ヶ月間はTOBを行うことは出来ないこととなる。

相変わらず、DowやインドのReliace や多くの投資会社がICI 買収に乗り出すとの噂も続いている。


* バックナンバー、総合目次は 
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm

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