Dow、ブラジルでサトウキビからLDPE製造

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Dowは7月19日、ブラジルのバイオエタノール大手のCrystalsev と共同で、ブラジルでサトウキビからワールドクラスのLDPE工場の建設計画を明らかにした。

両社が合意したMOUによれば、両社はブラジルで合弁会社を設立して、350千トン能力のLDPE工場を建設、2011年に生産を開始する。DowのPE技術(DOWLEXT法)とCrystalsev のエタノールのノウハウと経験を統合し、Dowのブラジルの需要家に供給、輸出も考える。

Crystalsev はサンパウロ州の砂糖とアルコール製造の9社の販売を担当する会社で、アルコールの輸出ではブラジル最大。

本計画では原料エチレン製造のためにサトウキビからつくるエタノールを使用するため、従来のナフサやNGLからのLDPEと比較し、排出するCO2ははるかに少ない。DowのAndrew Liveris会長兼CEOは、これは同社の2015年のSustainability Goals commitments に沿って成長を図る素晴らしいチャンスであるとしている。

Crystalsevも、環境維持計画のなかでエタノールの付加価値を高め事業を多角化する好機としている。

両社は既に、設計、立地、インフラ、ロジスティック、経済性などのFSを始めている。完了までに1年を要する見通しだが、その間にクリーン開発メカニズム(CDM)として承認を受ける可能性についても検討する。
工場立地の候補となっている土地は牧草地で、Rain forest 破壊の恐れはなく、立地選択においても環境維持に注意を払っているとしている。

京都議定書では、国内での温室効果ガス(GHG)の排出削減活動を補うために、3つの経済的メカニズム(京都メカニズム)が定められている。

  • CDM(クリーン開発メカニズム
    先進国が途上国でGHG削減プロジェクトに投資し、削減分を目標達成に利用できる制度
  • JI(共同実施):
    先進国が他の先進国のGHG削減プロジェクトに投資し、削減分を目標達成に利用できる制度
  • 排出権取引:
    先進国どうしが削減目標達成のため排出権を売買する制

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なお、ブラジルのBraskemは6月21日、サトウキビから作ったエタノールを原料にHDPEを製造するのに成功したと発表した。
同社では2009年後半に商業生産を開始する計画で、能力は20万トン程度を考えている。

 

参考 2007/5/8 植物ベースのバイオ製品の開発  

    2007/6/13 DuPont、Bio-PDOの商業生産開始  


* バックナンバー、総合目次は http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm

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