日本ジーイープラスチックスの合弁解消

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GE・三井化学・長瀬産業の323日GEのプラスチック事業のSABICへの売却に伴い、3社の合弁会社の日本ジーイープラスチックス(GEPJ)とジェムピーシー(GEMPC)について、発展的な合弁解消の合意に達したと発表した。

GEはGE Plastics をSABICに売却することに合意している。
本年第3四半期にこの売却完了予定で、新事業名は
SABIC Innovative Plastics となる。
(→2007/8/31に完了を発表した)

  2007/5/22 速報 GEGE PlasticsをSABICに116億ドルで売却 

GEPJは1989年1月に設立された。GE 51%、三井化学 41%、長瀬産業 8%を出資している。
ポリカーボネート(PC)、変性PPOや、各種エンプラのコンパウンドを開発、製造、販売している。

コンパウンドの工場は
栃木県真岡市の真岡工場にあり、同工場内には2006年11月に総合技術研究所を開設している。

総合技術研究所GEの世界で7つあるGlobal Application Technology Centerの一つとなり、自動車分野、エレクトロニクス分野などの技術拠点としての役割を担うと同時に、プラスチックスの新製品開発を行い、材料開発と用途開発が一体となった「総合技術」サービス拠点となっている。

PCとその原料のビスフェノールAはGEMPCで製造している。
GEMPCはGE 50%、三井化学 42%、長瀬産業 8% の出資で、三井化学の市原工場内にプラントを有している。
ビスフェノールAの能力は90千トン、PCの能力は45千トンで、自消分以外のビスフェノールAは三井化学に販売を委託している。

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今回、以下の点が発表された。

1.GEMPCGE 50%、三井化学 42%、長瀬産業 8%)

 ・GEは長瀬産業の持株を買取り、GE 58%/三井化学 42% とする。
 ・プラントは2008年3月末まで操業、その後JVを清算する。
 ・PCは(プラントを廃棄し)GEの海外拠点の製品に順次切り替える。

 発表にはないが、PC原料のビスフェノールAについては、三井化学への売却を交渉中とのこと。

2.GEPJ (GE 51%、三井化学 41%、長瀬産業 8%)

 ・GEは、GEPJの株式を三井化学と長瀬産業から買い取り、GE 100%とする。
 ・同社の運営には変更なし。
 ・
長瀬産業はGEPJを含むGEプラスチックスの中国・東南アジアの販売代理店としてビジネスを継続。

 

変性PPOの原料となるポリフェニレンエーテル(PPE) と、その原料の2,6-キシレノール、副産品のオルソクレゾール(ICの封止用原料)は以前はジェムポリマーで製造していた。
ジェムポリマーはGE 51%、三井化学 49%のJVで、三井化学泉北工場内にPPE 11.3千トンのプラントがあった。

ジェムポリマーは2002年にプラントは撤去し、会社も解散した。

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GE Plastics PCについては、日本のほか、米国(2工場計 510千トン)、オランダ(170千トン)、スペイン(260千トン)と合計100万トンの能力を持っている。

同社は中国のPetroChina とワールドスケールのPCの製造JVの設立交渉を行っていたが、他社の増設で利益率が下がり、現時点では投資を正当化できないとして、この計画を延期することを決めている。(その後、SABICは本計画に関心なしとしている)

  2007/2/13 GE Plastics、中国のPC計画延期 

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* バックナンバー、総合目次は http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm

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