中国のリファイナリー、エチレン計画の動き

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(南沙 リファイナリー/エチレン計画)

2006年7月、SINOPECとクウェート国営石油会社(KPCの石油精製プロジェクトが国家発展改革委員会の承認を受けた。
SINOPECの広州石油化工がKPCとのJVを設立し、
広州市南沙経済開発区で年間1,200万トンの石油精製を行うもの。

事前報道では15百万トンの石油精製と100万トンのエチレンコンプレックスと伝えられた。
直前の7月18日の報道では、SINOPEC、KPCのほか、ダウともう1社欧米の石油会社が交渉に加わっているとされていた。

  2006/8/1 クウェートの中国進出

このSINOPECKPC50億ドルの製油所/エチレンJV計画(精油能力12百万トン、エチレン能力100万トン)は、現在、Shell Dow Chemical の参加について交渉していることが明らかとなった。

両社を引き込む考えは、この計画の決定に主導権を有するKPCが主張している。
同社は原油は持つものの、精油技術や計画のマネジメント能力を欠いており、
ShellBPのような企業の参加を要請している。
SINOPECとしては原油供給をKPCに依存するため、KPCの意向を無視できない状況にある。KPCが交渉の窓口となっている。

Shell は製油所とエチレンの両方への参加を計画している。
CNOOC との50/50JVの中海シェル石油化学広東省恵州市大亜湾800千トン)がShellの中国のエチレン計画への参加の第1号であるが、同社はリファイナリーへの参加として、本計画への参加を希望している。

2006/4/7 中国のエチレン合弁会社ー2 

同社は昨年、同地でのCNOOC恵州製油所計画への参加を断っている。
しかし現在では、同社は中国の石油事業の将来や石油製品の価格制度改革に以前より楽観的になったと見られている。

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(青島製油所計画)

SaudiAramco はSinopecの山東省青島の製油所に参加する予定であった。
Sinopecは青島製油所(第一期の能力10百万トン)の持分の25%をSaudiAramcoに譲渡するといわれていた。
本年4月に両社は、Aramcoが2010年まで、100万バレル/日の原油を毎年Sinopecとその子会社に供給する覚書を締結している。

  2007/5/29 SABICとARAMCOの中国進出 

当初、2006年5月に建設を開始した製油所は本年末のスタートの予定であったが、来年9又はそれ以降に延期されることが明らかになった。

延期の理由としては下記の推定がなされている。
1)6月のSinopec会長の突然の交代が影響(前会長は汚職容疑で調べられているとの情報)
2)新会長が、本計画が厳しくなった環境基準に合致しているかどうか、確認を求めた。

また、Aramcoとの合弁契約での出資比率がまだ決まっておらず、原油供給契約での供給数量もまだ確定していないと言われている。

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(河北省唐山市曹妃甸地区)

本年8月、河北省の開発改革委員会はSinopecとの間で、唐山市曹妃甸(Caofeidian)地区での製油所・石化計画の契約を締結した。
計画では年産10百万トンの製油所と年産100万トンとエチレンを建設する。
NDRCの認可が得られ次第、建設を開始したいとしている。

本年5月には、CNPCPetroChina)が唐山市曹妃甸地区で大規模製油所を建設する計画であることが報じられている。
曹妃甸地区は同社が最近発見した南堡
Nanbao)油田に近いというのが理由である。
CNPCは河北省で他に2つの油田、華北(Huabei)油田と大港(Dagang)油田を操業している。

NRDCが両方を認可することはあり得ないとみられている。

Sinopec の曹妃甸地区の原油輸入桟橋計画は昨年11月にNRDCの認可を得ている。
年間
20百万トンの原油を扱うことができる300千トンの原油タンカーバースをつくる。
また桟橋は天津市に年間
20百万トンを送油可能な原油パイプラインに繋がっている。

他方、NRDCは年間 6百万トンを扱うLNG桟橋しか建設していない。

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