INEOS、ドイツのエチレン計画中止

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INEOSは9月18日、ドイツのWilhelmshavenで進めていたエタンクラッカー計画を中止すると発表した。

この1年で投資コストが30%以上、上昇しており、現状の形では採算が取れないというのが理由。
計画に参加していた
Statoil 及び E.ON Ruhrgas と協議して決定した。 

INEOSではドイツでのコア事業の拡大に引き続きコミットするとしている。 

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Wilhelmshaven ではICI-EVCのビニルチェーンINEOS ChlorVinyls が運営しており、塩素/ソーダ、VCM、S-PVC を生産している。

2005年5月、Jim Ratcliffe 会長はWilhelmshavenでの投資計画を地元政府に報告し、地元、州政府及び連邦政府からの協力の約束を得た。

投資額は12億5千万ドルで、エタンクラッカーと新しい隔膜法電解設備を建設し、VCMとPVCを大幅に増強、更にMarl からWilhelmshaven までの275kmのエチレンパイプラインを建設するというもの。

エチレン能力は80万トンで Statoil E.ON Ruhrgas が建設するガス分離設備から出るエタンを原料とする。エチレンパイプラインはMarl で欧州エチレンパイプライン(ARG)と接続する。
    
2006/6/16 欧州エチレンパイプライン (ARG) 

INEOSは2005年末にBPから石油化学子会社Innoveneを買収したが、それでも70万トンのエチレンが不足するとして、Wilhelmshaven の計画は実行するとしていた。

   INEOSについては 2006/6/14 事業買収で急成長した化学会社  

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