SABICの中国進出

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SABICは1月31日、Sinopec との間で、50:50のJVを設立して天津にエチレン誘導品コンプレックスを建設する Heads of Agreement を締結したと発表した。同日、北京で両社の会長により調印された。

50:50JVは天津に年産60万トンのPEと
40万トンのエチレングリコールのコンプレックスを建設する。
原料のエチレンはSinopecの子会社の天津石油化学(下記)から供給を受ける。
総投資額は17億ドルで、2009年9月に完成の予定。

本計画はSABICにとって中国での最初のプロジェクトとなる。

天津石油化学は現在100万トンのエチレンプラントを天津市の大港地区で建設しているが、当初はSinopec/天津市/ダウのJV構想で、ダウの撤退後はサウジアラムコが提携候補に上がっていた。その後、
2005末にSinopecが単独で承認を得て建設している。

    2006/4/7 中国のエチレン合弁会社ー2 の5 

計画概要は以下の通り。(千トン)

既存能力  増設
Refinery   5,000  7,500
エチレン    200  1,000
LLDPE    120  
LDPE     300
EO     22  
MEG     48   420
HDPE/MDPE       300
PP     60   450

しかし、2006年1月のサウジのアブドゥッラー国王の最初の公式訪中を機に、SABICがSinopecとの交渉を再開した。

2007年5月、SABICとARAMCOのトップが上海でのフォーラムで、両社がそれぞれSinopecとJV交渉を進めていることを明らかにした。
いずれも間もなく発表されるとされ、本ブログでも新聞情報などをもとに、「SABICはSinopec天津の新しい100万トンエチレン計画に10億ドルを投資して参加する」とした。

    2007/5/29
SABICとARAMCOの中国進出 

今回の発表によれば、天津計画全体への参加ではなく、エチレン系誘導品への参加である。

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福建省泉州市ではサウジアラムコがSinopec やExxonMobil と組んで、石油精製と石油化学(エチレン80万トン)のコンプレックスを建設中である。

    2006/4/7 中国のエチレン合弁会社ー2 の4  


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

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