ダノン/ワハハのその後 ー 宗慶後会長の脱税事件

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ワハハの宗慶後会長は16日、所得税の支払いについて調査を受けていることを明らかにした。

同氏によると、税務当局は昨年11月から宗会長とワハハについて調査を行なっており、同氏は調査に協力している。
パートナーのダノンがシンガポールで同氏にサービスフィなどを払った際に、ダノンが約束していた税金の支払いをしていないことを知って、昨年後半に税金と遅延税を支払ったとしている。

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しかし、別の報道では話は異なっている。

昨年8月に税務当局に、宗会長が国内、国外所得の大部分を隠しており、所得税を正しく申告していないとの密告があった。
税務当局は杭州の当局に調査を指示した。

調査の結果、ダノンとワハハがJVをつくった1996年から2006年までの間にダノンは宗会長に対して、サービスフィや海外子会社株式供与などで合計71百万ドルを支払った。宗会長の要請で、これらのうち50百万ドルは宗会長名義で、残りは婦人や娘の名義で、香港の銀行に振り込まれた。宗会長はこれらについて、中国、香港やダノンの支店のあるシンガポールのいずれでも税金を払っていない。
脱税額は3億人民元(約45億円)に達するといわれている。

調査の開始後、宗会長は2億人民元以上の税金を支払った。
中国の税務当局は著名な事業家の宗会長に対する訴訟はまだ行なっていない。未払税金がいくらかを協議しているという。

ダノンとの争いで、宗会長はフランスの巨人と戦う中国の地方事業家として同情を得ていた。中国が企業の責任、納税義務を強調している今、この脱税の報道はワハハに不利に働くとみられている。

この密告はダノンによるものとの噂が一部に流れている。

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ワハハとダノンは昨年12月に、「中国政府とフランス政府の期待に沿い、両社は対立を終え、和平交渉に戻ることで合意した」との共同声明を出した。両社は2ヶ月の交渉期間を決めた。

     2007/12/23 ダノンとワハハ、和解交渉へ  

両社は解決策として3つの案を考えた。
①JVとその他のワハハ子会社を統合し、上場する。
②ダノンが持株をワハハに譲渡する。
③ワハハが持株をダノンに譲渡する。

しかし、いずれも株の評価で合意に達しなかった。

交渉期限は1ヶ月延長して3月20日としたが、まとまらず、更に4月10日まで延長された。

しかし、4月10日までに合意に達せず、休戦期間延長の合意もされずに終わった。

 

ダノンとワハハの構想が長引き、特に将来の中国戦略の絵が描けないダノン側にあせりが強い。


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。


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