中国政府、SinopecとPetroChinaに毎月損失補てん

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中国政府は4月から毎月、SinopecとPetroChinaに対して石油精製の赤字の補填を行なう。

中国では石油製品の価格は政府が低く決めており、輸入原油を精製する場合は赤字となる。
Sinopecは原油価格がバレル当たり76ドルで精製事業がトントンであるとしており、115ドル/バレルを超える現在では大赤字となっている。

このため、中国政府はSinopecに対して、2005年に100億人民元、2006年には50億人民元、2007年は49億人民元、2008年第1四半期は74億人民元の赤字補填を行なった。
これに対し、自社原油の多いPetroChinaはこれまで補填を受けていない。

  
2008/3/21 Sinopec、政府から石油精製事業の赤字補填金受領

今回政府はSinopecのほかにPetroChinaに対しても、毎月赤字補填を行なうこととした。

これに加え、中国財務部はこのたび、SinopecとPetroChinaの輸入する石油類について、増価税(17%)を払い戻すと発表した。

これらの処理により、原油価格高騰のなかで、石油製品価格の大幅引き上げなしに、供給の増大を図る。

注)    増価税については、企業は販売製品に対する増価税と購入原料等に対する増価税との差額を納付する。
従い、単に購入品に増価税がかからない場合は納付する税額が増えるだけで、企業にとってメリットはない。
今回の処置は、購入品に増価税を払った上で(販売品に対する増加税から控除)、相当額を利益として受け入れるのではないかと思われる。

参考 SinopecとPetroChinaの2007年の決算 

       2008/4/10  2007年決算 Sinopec 


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。


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