BASF Plant Science、韓国・中国・台湾の研究機関とバイオ技術で相次ぎ提携

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BASF Plant Science 5月27日、台湾の最高学術研究機関中央研究院(Academia Sinica) との間で協力契約を締結した。
コメやトウモロコシのような主要作物の収穫量を増大し、環境ストレス耐性を改善する遺伝子発見が主要テーマとなる。

中央研究院がコメの遺伝子の機能分析を行い、BASFが中央研究院の基礎資料のなかから、収量が高く、ストレス耐性がよいものの選択を行なう。
当初の協力期間は2年で、収量の高い、いくつかの遺伝子組み換え作物を市場に出したいとしている。

BASF Plant Science にとって、今回の契約は韓国、中国に次ぐ、8ヶ月で3回目の協力契約である。
同社はアジア地区での事業を狙っており、各国の研究機関を高く評価している。

BASF は、収量増大が現在の農業研究で中心の目標としている。
中国のような国で生活水準の向上で肉の消費は過去
20年で300%増大しており、それに伴い、飼料の需要が増大している。同時に都市化によってアジアの耕作面積が減少している、と指摘している。

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BASF Plant Science は昨年10月、韓国のCrop Functional Genomics Center (CFGC) との間でR&D契約を締結した。

Crop Functional Genomics Center は韓国の科学技術部(Ministry of Science and Technology)がThe 21C frontier R &D program という計画の下で行なっているコンソーシアム形式の研究組織で、全国の大学、研究機関、企業の研究をサポートするバーチャルな研究所。

予算は年間10 百万ドルで、主にイネ、ダイズ、唐辛子の3種類の植物の機能ゲノム研究を行う。
研究内容、
Crop functional genomics :ゲノム構造、遺伝子探索、②Development of Transgenic Crops:有用植物への遺伝子導入技術の推進、有用形質の付与、③Molecular Breeding :分子マーカー(形質マーカー)の探索とそれらを用いた有用形質の獲得である。

契約内容は研究協力とライセンスで、40の著名研究機関の200人の研究員の10年間の発見を含む。

狙いはコメやトウモロコシのような主要作物の収量増大、環境ストレス耐性改善で、分担は上記台湾のケースと同じ。
CFGC は重要な作物について韓国以外での独占ライセンス権をBASFに与える。

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BASF Plant Science は本年1月、北京生命科学研究所(National Institute of Biological Sciences, Beijing NIBS) との間で協力・ライセンス契約を締結した。

トウモロコシ、大豆、コメのような作物の収量増加を狙うもの。

NIBS は2003年に政府の科学技術の開発戦略の一環として、ライフサイエンスの基礎研究の基地として設立された。

NIBS は作物の収量増加を示す遺伝子を見出している。同所で更にその機能の分析を進めた後、BASFに回す。

契約ではNIBS 発見された遺伝子を組み込んだ作物を開発・販売する独占権(中国以外)をBASFに与える。

 


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

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