中国PTA最大手 浙江華聯サンシャイン石化、経営危機?

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China Union Holdings (華聯発展集団)は10月7、同社が26.4%を所有するPTAメーカー 浙江華聯サンシャイン石化 (Zhejiang Hualian Sunshine Petrochemicals) が生産を停止しており、リストラを検討していることを明らかにした。

Shanghai Securities News 10月6日、サンシャイン石化が資金不足に陥り、支払不能の可能性があると報じた。
鄭州商品取引所での先物取引でPTAの先物を大量に買い、大きな損を出した。10万トン以上の現物を買い取る羽目になり、資金不足になったという。

Platts によると、9月中旬に現物を引き取らざるを得なくなり、計算では支払額は1億ドルを超えるという。

China Union はサンシャイン石化に対し、この報道についての情報を求めている。

生産停止が長期に亘るのか、株主が資金を出して早期に生産を再開するのか、いろいろな情報が飛び交い、市場は混乱している。

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浙江華聯サンシャイン石化(Hualian Sunshine PetroChemical)は20033月にChina Union HoldingsZhejiang Zhanwang Holding (Group)Zhejiang Gabriel Holding (Group)により設立された。

紹興市の北にある紹興県 斉賢工業園区(Binhai Industrial Zone) にプラントを持つ。

同社は2007年に同社の3基目の60万トンPTAプラントを稼動させた。
2005年4月に最初の60万トンプラント、2006年10月に第2基60万トンがスタートしており、合計能力はこれで180万トンとなり、中国最大のPTAメーカーとなった。

    2007/2/15  中国のPTAと原料パラキシレンの状況 
         

中国の化学繊維の不振により、PTAの価格は過去2年低水準にあり、エネルギー価格高騰もあって中国のPTAメーカーは赤字に苦しんでいる。
サンシャイン石化は2007年に960百万人民元の赤字を出した。

アジアのPTAメーカー各社は適正価格を確保していけなくなり、相次いで減産を行なっている。

不動産事業が中心のChina Union ではサンシャイン石化の赤字の影響を減らすため、本年8月にサンシャイン石化の増資の引受を断り、出資比率を35%から26.4%に減らした。

PTA価格の値下がりが予想されるなか、サンシャイン石化が何故、大量の先物の購入取引をしたのか、分からない。


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