化学会社の中間決算対比

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各社の中間決算の結果がまとまった。(旭硝子、昭和電工は6月中間決算)

営業損益の傾向をみるため、前期の営業損益の順に並べて対比した。

   
   
   

営業損益をみると、いくつかの会社を除き、ほとんどの会社が大幅減益となっている。
特に、石油化学関係での減益が大きい。ハイテク材料分野でも減益となっている会社が多い。

なお、下記各社については既報 参照

 住友化学、三井化学、三菱ケミカル:2008/11/3 注目会社 2008年9月中間決算-1 
 信越化学:2008/11/5 注目会社 2008年9月中間決算-2 
 三菱レイヨン、東ソー、旭化成:
2008/11/10 注目会社 2008年9月中間決算-4 

例外は以下の通り。

ーーー

旭硝子 (318億円の減収、営業損益 193億円の増益

  売上高 営業利益  
ガラス事業  338億円減  154億円減 板ガラス減、自動車ガラス若干減、ガラス繊維全面撤退
電子・ディスプレイ事業   14億円減  359億円増 TFT液晶用ガラス基板およびPDP用ガラス基板の出荷が大きく伸長
化学事業   35億円増   15億円減  
セラミックス事業その他   10億円増   4億円増  

ーーー

宇部興産 (370億円の増収、営業損49億円の増益

  売上高 営業損益  
化成品・樹脂  146億円増  38億円増 カプロラクタム、底堅い需要で価格転嫁
機能品・ファイン   28億円増  4億円減  
建設資材   58億円増  4億円減 セメント・生コン、建材製品低迷
機械・金属成形   53億円増  4億円減   
エネルギー・環境   86億円増  24億円増 石炭の価格高騰と需給逼迫状況が継続

ーーー

協和発酵キリン  (551億円の増収、営業損109億円の増益

2008年4月1日に協和発酵がキリンの子会社になるとともに、キリンファーマを100%子会社とした。   
2008年10月1日に協和発酵とキリンファーマが合併し、協和発酵キリンファーマとなった。

    2007/10/25 協和発酵とキリンファーマの統合 

このため、協和発酵キリンの前年上期は協和発酵単独、本年上期はキリンファーマを連結した協和発酵のもの。

売上高、営業損益対比 (億円)
  売上高   営業損益
07/9 08/9 増減   07/9 08/9 増減
ノレン
償却前
ノレン
償却後
医薬  689  1,087  398    97  240  197  100
バイオケミカル  438  457  19    40  55  52  12
化学品  510  572  62    33  30  30  -3
食品  209  208  -1    7  7  6  -1
 246  366  119    5  7  7  2
全社  -167  -212  -45     -   -   -   -
 1,926  2,478  551    182  340  292  109
注 合併によるノレン償却 48億円を営業費用処理

薬価改定の影響はあったが、キリンファーマの連結、Amgenからのライセンス料一時金、新製品が貢献し、増収増益となった。

2007年1-6月のキリンの連結決算で、医薬事業の売上高は315億円、営業損益は49億円であった。
(キリンファーマには他にバイオケミカル、化学品もあり)


* 総合目次、項目別目次は
 
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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