LyondellBasell、民事再生法申請も

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LyondellBasell 1229日の法定届出で、借入金の返済期限延長や債務整理 (restructuring)の交渉を始めていることを明らかにした。

同社では「債務整理を検討しており、全てのオプション考えている。Chapter 11 (民事再生法)申請もオプションの一つである」としている。既に専門の弁護士事務所と契約している。

破産法の第7章が「破産」、第11章が「民事再生」で、Seven-Eleven と称される。

同社では既に、280百万ドル(160百万ドル+120百万ドル)の金利の支払い延期を行っている。

これを受け、Standard & Poor's 1230日に同社の格付けを "selective default"(一部債務不履行)に落とした。

LyondellBasell はこれに対し、下記コメントを発表した。

これはS&Pが述べているように、S&Pの定義、基準に基づく S&P としての意見であり、実際にLyondellBasell が銀行との契約上で債務不履行になっているのではない。

金融危機に伴うグローバルな経済不振のなかで、Len Blavatnik が率いるLyondellBasell 1年前の127億ドルでのLyondell 買収など、多数の買収に伴う債務に苦しんでいる。Standard & Poor's によると同社の債務は260億ドル。

今回の "selective default"になる前の同社の格付けはBマイナス」で「投機的」の上から6番目であった。
同社の債務の価値は最近異常に低下している。

2015年満期の $615 百万ドルの債務(利率 8.375 %)の評価は1ドル当たり 7 セント。
2020年満期の $225 百万ドルの債務(利率 9.8 %)の評価は1ドル当たり 25セント。
破産時に最優先で払われる
senior bank debt 10月末に1ドル当たり 60セントであったが、42セントに下がった。

S&Pの格付け

「投資適格」:
AAA, AA+, AA, AA-, A+, A, A-, BBB+, BBB, BBB-
「投機的」:BB+, BB, BB-, B+, B, B-, ---- 

K-Dow Petrochemicals の破談など、金融危機の影響が化学業界にも広がってきた。

 

参考 LyondellBasell について

  2006/6/15  Basellの買収

  2007/7/18  Basell が Lyondell を買収

 

 


* 総合目次、項目別目次は
 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


コメント(1)

チャプター11申請は、アメリカ部門のみのようですね。
とはいえ、ライオンデルバセルほどの巨大企業まで、とは、化学企業が規模で勝負できない時代が来ているのかもしれません。身軽で迅速な、ネズミのような企業が生き残るのでしょうか。
http://blog.livedoor.jp/chemconsulting/archives/51772914.html

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