ダウやハンツマン、プロジェクトを延期

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経済状況の悪化を受け、ダウやハンツマンがプロジェクトの延期を発表した。

ダウは29日、テキサス州Freeport でのクロルアルカリ計画を延期すると発表した。

同社は2004年11月に、テキサス工場のEDCプラント1系列を2005年末までに停止し、VCMの生産も縮小すると発表した。
これを受けて、同社から30年以上塩素を購入しているShintech は2007年5月に電解工場とVCM工場をテキサス州に建設するために同州の環境庁に許可申請を行なった。

しかし、その後2008年1月にダウは方針を転換、テキサス州フリーポートでクロルアルカリ設備の建設を開始すると発表、合わせて、ShintechとのVCMの長期供給契約の更新を発表した。

2011年のスタートを目指し、完成後に同地の既存のプラントを3年間で順次停止する予定であった。

なお、旭化成ケミカルズは本計画でイオン交換膜法食塩電解の大型設備を受注している。

 2008/1/31  ダウ、テキサスでのクロルアルカリ設備新設、シンテックとのVCM供給契約更新を発表 

 

ダウによると、経済情勢の悪化を受け、全社でプロジェクトの優先順位と資金の使途を評価した結果、資金節約のため、クロルアルカリ計画を延期することとした。

プロジェクトをやめる計画はないとしており、今後のスケデュールは経済情勢が変わった時点で再検討する。<p><p><p>HTML clipboard</p></p></p>

Dow CEO Andrew Liveris によると、ダウと Saudi Aramco は両社のJVの Ras Tanura petrochemical complex のスタートアップを遅らせる模様。

Andrew Liveris 23日のアナリストとの電話会議で、同社のチームが投資銀行と組んでDow AgroSciences を含む12の大きな事業・設備の潜在的な買い手を評価する仕事をしていると述べた。

「売りたくはないが、現金が必要で、全てのオプションが検討される」としている。

ーーー

ハンツマンは210日、オランダのRozenburg で行っていた新しいMDI プラントの設計やFS業務を中断したと発表した。

同社は20082月、Rozenburg で大規模MDI プラント建設のための設計とFS業務を始めたと発表した。

能力40万トンプラントを建設するもので、2008年中に意思決定し、2011年央のスタートを目指していた。
完成後には同地の古いプラントを閉じる予定であった。

同社では、経済情勢の悪化で、現在の能力で需要を充足できるためとしている。
情勢がよくなればいつでも検討を再開できるようにしている。

ハンツマンは米国ルイジアナ州GeismarとオランダのRozenburg MDI 工場を持ち、上海ではBASF 等とのJVイソシアネートコンプレックスを運営している。

同社はTDI も製造していたが、2005年にBASFTDI 事業を売却(工場は停止)し、MDIに特化している。

Geismar プラントは1966年に生産を開始、MDI 390千トン、ポリオール 68千トン、アニリン 27千トンの能力であるが、2005年にMDI450千トンへの増強を発表した。(未完)

Rozenburg プラントは1971年に生産を開始した。能力はMDI 300千トン、ポリオール 54千トンであるが、これも2005年にMDI100千トンの増設を発表した。その後増設ではなく、400千トンの新設(S&B)に変更した。

上海では合計240千トンの粗MDIを生産、BASFとハンツマンは別々にこれを精製している。

なお、上海コンプレックスのメンバーは中国での第二基地の建設を検討、能力はワールドスケールの40万トンで、2010年頃の完成を目指し、いくつかの場所を評価しているとした。

しかし、本年
1月にBASFは単独で重慶ケミカルパークでのMDI計画の環境承認を取得した。
ニトロベンゼン400千トン、アニリン300千トン、粗MDI 400千トンと精製設備、MDI pre-polymer 20千トン、貯蔵設備、ユーティ
を建設する。

ハンツマンは今回の発表の中で、中国での第二MDI プラント建設の戦略的オプション(いくつかの異なるオプション)の内部での検討は続けるとしている。

 

なお、ハンツマンは1月28日に、サウジでのアミン計画については予定通り建設が進んでおり、2009年11月のメカニカルコンプレーションを予定していると発表した。

またハンツマンは2月11日に、ドイツのSasol との無水マレイン酸JVが、non-recourse の(資産以外に債権の取り立てが及ばない)借入契約を締結し、増強計画を予定通り実行できると発表した。

ハンツマンは世界最大の無水マレイン酸メーカーで、ライセンスもしている。
同社の能力は以下の通り。
 

  既存   増設後
Pensacola, Florida  109千トン   109千トン
Geismar, Louisiana        45千トン
Sasol-Huntsman 持分
(合計能力)
  30千トン
 (60千トン)
   53千トン
 (105千トン)
合計  139千トン   207千トン

他に HuntsmanのサウジInternational Diol Company 計画Maleic Anhydride技術供与)


* 総合目次、項目別目次は
 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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