中国鉄鋼大手、豪鉄鉱石大手フォーテスキューに16%出資

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豪鉄鉱石大手Fortescue Metalsは25日、中国鉄鋼大手の湖南華菱鋼鉄集団(Hunan Valin Iron and Steel )と第三者割当増資の引き受けで合意したと発表した。Fortescue の既存株主からの取得した分と合わせ湖南の出資比率は約16.48%になる。
湖南の会長はFortescue
の取締役に就任する。

湖南は225百万株の新株と引き換えにFortescue に約558百万豪ドル(約352億円)を払い込む。更に米のヘッジファンドの Harbinger Capital Partners から627百万豪ドルで275百万株を購入した。

Fortescue は当初予定していた機関投資家への5億豪ドルの新株発行をとりやめる。

Fortescue はこれを原資に豪西部での鉄鉱石生産能力を現在の年間約3500万トンから同1億2千万トンに引き上げる。
湖南への供給量を2010年に年間100万トンから同400万トンに引き上げることでも合意した。
両社はまた、鉄鉱石の処理や技術開発での協力契約を締結、将来は鉄鉱石プロジェクトを共同で開発することもあるとしている。

英豪系リオ・ティントも鉄鉱石の一部権益を中国非鉄最大手の中国アルミに譲渡することで合意しており、豪州産鉄鉱石に対する中国勢の影響力が高まるのは必至だ。
別途、中国五鉱集団が
豪州OZ Minerals 買収を決めている。

Fortescue でもこれを気にして、湖南の出資比率が17.5%を超えないという条項を契約に入れている。

本取引は中国と豪州の政府の承認を必要とする。

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Fortescue Metals は最大株主(現在同社の株の34.72%を所有)のThe Metal Group が2003年にAllied Mining & Processing を買収して改称、鉄鉱石のインフラ事業に参入した。

BHP Billiton、Rio Tintoに次ぐ鉱山から港湾までを一貫運営する第三の「鉄鉱石メーカー」として全量、中国向けに輸出している。

湖南華菱鋼鉄集団は鉄パイプ、棒、ワイア、熱間圧延鋼板や銅パイプなどを製造している。


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