ポリプロカルテル事件のその後

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公正取引委員会は521日、ポリプロカルテル事件で住友化学とトクヤマに対し、審判の結果、519日に課徴金納付を命ずる審決を行ったと発表した。

課徴金は以下の通りで、昨年6月の納付命令とほぼ同金額。
 住友化学 1億1716万円
 トクヤマ     4779万円

 納付期限 7月21日

ーーー

2000年5月30日にポリプロピレンのカルテルで7社に公取委の立入検査が入った。

公取委は2001年5月30日に7社に対し排除命令を出した。
7社のうち
社は課徴金を支払ったが、社は2007年8月の審決に対して東京高裁に審決取消訴訟を提起し、まだ争っている。

公取委は2008年6月20日付けで、4社に対し課徴金納付命令を出した。
(通常はメーカーが審決を受諾した後で課徴金納付命令を出す。)

2007/8/11 PPカルテル審決 付記

メーカー側は控訴中のため、審判手続の開始請求を行い、公正取引委員会は8月29日、審判開始を発表した。

住友化学とトクヤマの2社については、本年2月に第3回審判で審判手続が終結、3月に審決案が送達され、2社は審決案に対する異議の申立てを行ったが、異議を受け入れず、課徴金の納付を命ずる審決が行われた。

両社は、本件違反行為をしたことはなく,本案審決の認定は事実無根であると主張した。

公取委は、本件は改正前の独禁法が適用されるが、それによれば、公取委の審判審決において既に認定されている被審人の一定の違反行為について、課徴金に係る審判手続の段階で公取委における審理や認定判断をもう一度行うというようなことは、予定していないものと解される。
このため、被審人らが本件審判手続において本件違反行為の不存在を改めて主張することはできないと解するのが相当であるとした。

出光興産、サンアロマーについては審判が係属中。

4社は審決そのものに対して東京高裁に控訴しており、まだ結論が出ていない。
結論が出る前に納付期限が来れば、どうするのだろう。


各社の課徴金は以下の通り。(
青字が確定分)

  課徴金命令 審判課徴金 08/6 納付命令 今回の納付審決
三井化学(グランドポリマー)  7億6008万円      
日本ポリケム  8億4517万円  2億2087万円    
チッソ  4億3513万円  1億1662万円    
住友化学   1億1716万円  1億1716万円(審決取消訴訟中)
出光興産        1億4215万円   審判係属中 (審決取消訴訟中)
サンアロマー         5097万円   審判係属中 (審決取消訴訟中)
トクヤマ         4781万円     4779万円(審決取消訴訟中)

* 総合目次、項目別目次
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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