ダウ、ミシガン州にリチウム電池工場

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Obama 大統領は217日、7,970億ドルの景気対策法案(Stimulus Plan)にサインした。

この中には、電池製造支援として、米国での先進的な電池や自動車用電池メーカーへの補助金として20億ドルが含まれている。
プラグイン ハイブリッドカーを2015年までに100万台にすることを狙ったもの。

2009/2/19 米国の景気対策法案成立、エネルギー・環境関連が多数

米国エネルギー省では、部品や電気自動車を含めた電池メーカー35社に与えるとしているが、このうち12億ドルをリチウムイオン電池などの自動車用の先進的な電池の製造工場を建設する企業に与えられる。

多くの企業がこれを狙って動いているが、更に各州が工場誘致を狙って動いている。
ミシガン州は同州に工場を建設するメーカー4社に各1億ドル(25百万ドルx 4年)の税額控除を決めた。(当初3社で、その後1社追加)

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ダウはリチウム電池の製造のため、韓国最大のリチウム電池メーカーKokam Engineering の米国子会社、及び投資会社のTownsend Ventures, LLC と SAIL Venture Partners と組んで、合弁会社 KD ABG MI, LLC を設立する予定。
(K
okam-Dow Advanced Battery Group から取った)

Kokam Engineering は1989年設立で、1998年にリチウムポリマー電池の開発を開始、1999年に生産を開始した。
2003年に電気自動車用の大型リチウムポリマー電池の開発を開始した。

ダウは5月14日、補助金を受けられるのを前提に、新会社の立地をミシガン州のMidland に決めたと発表した。
年間6万台のハイブリッド又は電気自動車用に電池を供給する。800人の雇用を考えている。

ミシガン州とは既に交渉済みで、同州は4月14日にJVを同州に工場を新設して税額控除を受ける4社のうちの1社になると発表している。

エネルギー省の決定は本年夏で、認められた場合、9月末には建設を開始し、2011年央には生産を開始する。

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ミシガン州が税額控除を認めたメーカーは、KD ABG MI, LLCのほか、次の3社。

1)A123 Systems

2001年にマサチューセッツ工科大学からスピンアウト。創業者MITの教授のYet-Ming ChiangGEが10%出資している。
リチウムイオンバッテリーの性能を向上させるナノスケール材料を開発した。

同社は最近、クライスラーとの間で新しい電気自動車用の電池販売の契約を締結した。

2)Johnson Controls-Saft

フランスのバッテリー関連会社のSaftと米Johnson Controlsの合弁会社。
フォードに電池を供給する。

3)LG Chem

LG化学は113日、「2010年に発売予定のGMの電気自動車シボレー・ボルト(Chevy Volt) に搭載されるリチウムイオン・ポリマー・バッテリーを供給する唯一の企業として選ばれた」と発表した。

LG化学はソウルの90km南方の梧倉(Ochang )に730百万ドルを投じて新工場を建設する。
GMは当初は電池の組立を
Compact Power に委託するが、ミシガン州の自社工場完成後は自社で行う。

2009/1/17 LG化学、GMに電気自動車用バッテリー独占供給へ


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