2009/3Q 決算、2009/12決算

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3月決算会社の2009年3Q決算がほぼ出揃った。

営業損益は下記の通り、ほとんどが前年を下回っている。

2008年は上半期は好調であったが(2007年よりは悪化)、3Qに急落した。4Qは更に悪化した。
これに対し、2009年に入り、改善はしたものの、上半期の業績の差が大きく、このような形となった。

同時に発表された年間合計予想では次の通りとなる。(3年対比)

多くの企業が2009年3月期を上回る。前年4Qが非常に悪かったのに対し、本年4Qの業績の回復が貢献するため。
しかし、2008年3月期と対比すると、大幅な減益である。
しかも、本年4Qについては、現在打ち出している石化製品の値上げが実現できるかどうかによる。
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前々年と比較すると、石油化学関連の落ち込みが大きい。電子材料関連は企業(製品)により回復度合いが異なる。

このなかで、三井化学、東ソーの不振が目立つ。
信越化学の営業損益は他社をはるかに上回るが、前々年、前年からの落ち込みは大きい。

(なお、チッソの本年予想には営業損益が未発表のため、経常損益予想を採った)

当期損益予想は以下の通り。

東レ、三井化学、東ソー、帝人、三菱レイヨンが赤字予想である。三菱ケミカルはかろうじてゼロとなる。

帝人の赤字が大きいが、特別損失の異常操業損失、事業構造改善費用(インドネシア繊維子会社譲渡等)、金銭信託の追加拠出等による。
東レは持分法投資損失、三菱レイヨンは為替差損(72億円)の影響が大きい。

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なお、旭硝子、昭和電工の12月決算は以下の通り。
最悪期の2009年1-3月を含むため、3月決算企業とは差がある。(前年は逆)

旭硝子 (単位:億円、配当:円)  

  売上高 営業損益 経常損益 当期損益  配当
中間 期末
07/12 16,812 1,975 1,879 696 10 10
08/12 14,443 1,540 1,098 392 12 12
09/12  11,482 867 872 200 8 8
前年比 -2,961 -673 -225 -192 -4 -4
10/12予 13,000 1,600 1,500 900 8 8

ガラスは板ガラス、自動車ガラスともに不振。
ディスプレイ部門のフラットパネルディスプレイ用ガラス基板の需要回復が大きい。

昭和電工 (単位:億円、配当:円)  

  売上高 営業損益 経常損益 当期損益  配当
中間 期末
07/12   10,232 767 600 331 0 0
08/12 10,039 268 98 25 0 5
09/12 6,782 -50 -223 -380 0 3
前年比 -3,257 -318 -321 -404 0 -2
10/12予 7,900 300 210 110 0 3

電子・情報はハードディスクの販売減の影響が大きい。
石油化学は原料高の影響が縮小したこと、酢酸の不採算販売からの撤退等で黒字となった。
アルミは前半の販売数量減で赤字となった。

 


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