DuPont、セルロース系エタノールの高性能生産施設をオープン

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DuPont Danisco Cellulosic Ethanol LLC (DDCE)は25日、テネシー州Vonoreでセルロース系エタノール実証施設の開所式を行った。
同社は
DuPont とデンマークの食品材料メーカー Danisco<p>HTML clipboard</p>Genencor division との50/50JVで、トウモロコシの穂軸やスイッチグラスなどの農業残滓やバイオ作物を原料とするエタノールの商業生産を目指す。

参考 2008/5/9 木くずからバイオディーゼル

同施設では年間25万ガロン(約95万リットル)のエタノール製造が可能だが、狙いは大量生産用の技術を最適化することにある。

テネシー大学のバイオ燃料イニシアティブがセルロース系エタノールを精製するバイオリファイナリーの開発のパートナーとして同社を誘致した。

テネシー大学バイオ燃料イニシアティブは、テネシー大学研究財団所有の営利目的のGenera Energy LLC支援を受けて燃料開発のサプライチェーンを構築している。

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DDCE20085月にDuPont とデンマークの食品材料メーカー DaniscoGenencor division 50/50JV として設立された。

Daniscoデンマークに本部を置く機能性食品素材メーカーで、40ヶ国以上に9,700名の従業員を有する
製品には、乳化剤、安定剤、酵素、酸化坑止剤、カルチャー、機能性甘味料、機能性素材、食物繊維などがある。

Genencor事業部は業用酵素の開発と製造を担当、世界最大のバイオ技術会社の一つ。
革新的な酵素およびバイオソリューションについて、洗濯用洗剤から輸送燃料におよぶ多種多様な産業による環境への影響を軽減させるために、性能を改良し開発・販売を行っている。

最初の3年間に1億4000万ドルを投資する計画で、まずトウモロコシの茎や芯とサトウキビバガスを原材料とし、将来は、麦わら、様々なエネルギー作物、他のバイオマスを含む多数のリグノセルロース系原料をターゲットとする予定。

統合化されたセルロース系エタノール製造技術システムは以下の通り。

トウモロコシの茎葉部分の前処理
植物の幹からリグニンを分離して、含まれるセルロースが次工程で利用できるようにする。

DuPontが米エネルギー省のNational Renewable Energy Laboratory(NREL)との連携して開発した前処理工程技術を使用。
独自の温和なアルカリ条件プロセスで、他の前処理法よりも低い資本コストを実現した。

   
酵素加水分解プロセス。
セルロース系原料を発酵可能な糖に変換する。

Genencorバイオマスから糖類への高い変換率を可能にする酵素および生産基盤技術を使用。
先駆的な研究プログラムを推進し、酵素にかかるコストを30分の1に低減する強力な酵素複合体を開発、トウモロコシの茎葉部分やサトウキビバガスなどの様々なセルロース系基質を分解する時間、コストおよびフレキシビリティーに関する課題の克服に貢献。

   
DuPontNRELの連携によって開発された独自のEthanologen技術。
糖類を発酵して高い濃度のセルロース系エタノールを生成

エタノール生成細菌ザイモモナス菌(Zymomonas mobilis)に基づくもので、副産物を少量に押えて、原料に含まれた糖類を高効率でエタノールに変換する能力を有する。
   

 


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