アステラス製薬、米国OSI Pharmaceuticalsに敵対的TOB

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アステラス製薬は3月1日、米国の医薬品会社OSI Pharmaceuticals TOBを行うと発表した。

発行済みの全ての普通株式を1株あたり52ドルの現金を対価として取得するもので、直近1年間の最高値に対して31%のプレミアムを加えた価格となり、総額は約35億ドルとなる。

アステラスでは13ヶ月にわたり、買収について協議をしてきたが、先方はアステラスの提案が同社の価値を極めて低く評価しているとしてこれを拒絶したため、敵対的TOBとなる。

アステラス製薬は、デラウェア州衡平法裁判所(Delaware Chancery Court)に、OSI Pharmaceuticals の取締役がTOBを不適切に妨害することを禁止させる、宣言的、差し止め救済を求める訴訟を提起した。

アステラスはGlobal Category Leaderの実現を目指し、がん領域を重点疾患領域に位置づけ、早期の事業基盤確立に向けた取り組みを積極的に進めている。

アステラスは、“Unmet Medical Needs”が高く、高い専門性が必要とされる複数の領域「Category」において、「Global」に付加価値の高い製品を提供することで競争優位を実現し、各々の「Category」にて「Leader」としての存在を確立する「Global Category Leader」というビジネスモデルの構築を目指している。

OSI Pharmaceuticalsは、がん及び糖尿病/肥満の領域において分子標的薬の創製、開発、商業化にフォーカスしている医薬品企業。世界でも有数のがん治療剤Tarceva(R)の製造・販売を通じてがん領域における米国事業基盤を既に構築しているとともに、同領域において複数の新薬候補化合物を開発パイプラインに有している。

アステラスでは、OSI Pharmaceuticals 買収により、米国においてトップクラスのがん領域事業を早期に立ち上げることができるほか、製品ポートフォリオ及び開発パイプラインをさらに拡充することができるとしている。

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アステラス製薬は2009年1月、米国の心疾患系医薬品のメーカー CV Therapeutics, Inc に対し、1株当たり16ドル、総額11億ドルでの敵対的買収を提案した。

しかし、Gilead Sciences, Inc.が3月12日に、1株当たり20ドル、総額14億ドルで同社を買収する契約を締結した。

この結果、アステラスは「Gilead Sciencesによる買収価格の水準は当社の株主価値の向上に見合わないものと判断し」、買収提案の終結を決定した。

2009/3/14 CV Therapeutics 社に対する買収競争へ


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