EU、DRAMカルテルに制裁金、「同意決定手続き」初適用

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EUの欧州委員会は519日、世界の主要半導体メーカー10社がDRAMの価格カルテルを結んでいたとして、9社に総額331百万ユーロ(約370億円)の制裁金支払いを命じた。

エルピーダと株主で前身のNECと日立の両社及び東芝、三菱電機の日本企業5社は同日、制裁金を支払う方針を明らかにした。

欧州委によると、各社は19987月から20026月にかけて、DRAMの価格カルテルを結んでいた。

米国のMicronはカルテルの存在を通知し、制裁金を100%減免された。
また、Infineon
ほかが、調査に協力して一部減免された。

各社は「同意決定手続Cartel Settlement Procedure)」に従い、10%の減免を受けた。
* エルピーダ等は「和解手続」と呼んでいる。

半導体メーカー 減免
(Leniency)
減免
(Settlement)
制裁金
(EUR)
Micron (米国) 100% N/A 0
Infineon(独:1999年にシーメンスから分離・独立) 45% 10% 56,700,000
Hynix(旧称 現代電子産業で2001年に現代グループから分離) 27% 10% 51,471,000
Samsung Electronics 18% 10% 145,728,000
エルピーダ、NEC、日立(連帯) 18% 10% 8,496,000
NEC、日立 (JV期間、連帯)   10% 2,124,000
NEC (JV以前) 18% 10% 10,296,000
日立 (JV以前) - 10% 20,412,000
東芝  - 10% 17,641,800
三菱電機 - 10% 16,605,000
Nanya(台湾:南亞科技) - 10% 1,800,000
合計     331,273,800

「同意決定手続き」2008630日に制定され、同年71日から運用された。
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/1056&guiLanguage=en

欧州委と企業がカルテルの内容と証拠を協議し、企業がカルテルの存在を認めると制裁金が10%減額される仕組み。
これにより裁判所への控訴による長期の争いを避けることができ、欧州委では要員を他の事件の摘発に向けることが可能となる。

当時のNeelie Kroes競争政策担当委員は次のように述べた。

この手続の導入は、カルテルに対する執行をいささかでも弱めるものではなく、寧ろ、同手続の導入は、カルテルのより効果的な摘発を目的としたものである。
10%の制裁金減額という効果も、手続の簡素化や執行の効率化により正当化できるものである。

EUにはすでにカルテルの存在などの情報提供で協力した企業の制裁金の免除や大幅な減額を認めるLeniency制度があるが、これと併用する。

今回のケースはこの制度の初適用となる。

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エルピーダは1999年12月にNECと日立製作所のDRAM事業を統合する形で発足した。

エルピーダは1999年4月から2002年6月までの間にDRAMの国際カルテルに参加したとして、2006年1月に米国で8400万ドルの罰金支払いに同意している。<p><p><p>HTML clipboard</p></p></p>

他に、Samsung3億ドル,Hynix18500万ドル,ドイツInfineon Technologies16000万ドル。
エルピーダの米国の副社長(米人)が25万ドルの罰金と7カ月間の禁固刑。    

これと同時にDRAM顧客のパソコン大手から訴訟を受け、和解金を支払った。   

エルピーダは自製開始まではNECと日立の製品を販売していたが、この和解金の負担に関して両社と争っており、両社に対して約120億円の損害賠償を求める訴訟を起こしていたことが判明した。


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