ダウCEOの論文「米国製造業のルネサンスを」

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USA TODAY紙は621日付けのOPINION欄にダウのCEO Andrew N. Liverisの論文 “How U.S. can launch a manufacturing renaissance”を掲載した。
  http://www.usatoday.com/news/opinion/forum/2010-06-18-Liveris21_st_N.htm?loc=interstitialskip

米国の製造業の雇用が増えず、1990年以来、製造業の雇用減は300万人で、ほぼ20%に達する。この結果、多くのセクターでリーダーシップを失った。

国としての戦略がなければ、雇用減は回復できない。経済を活性化し、産業の競争力を高め、雇用を増やすために、米国は高度の製造業のプランが必要とし、以下の各項目が重要であるとしている。

(1)新しいインフラ

新しいインフラで、企業の設備投資を促進し、米国の通信ネットワーク、送電線、海陸空の輸送システムを近代化することが必要。
これにより、国内の生産を高め、生活の質を改善できる。

(2)最先端のR&D

外国との競争で、R&D投資が経済成長を高め、生産性を高め、生活水準を高める。

(ダウは6月21日、副大統領参列のもと、政府補助金を受けた最新のリチウムイオン電池工場の起工式を実施した)

(3)教育

米国の学生の科学、技術、工学、数学などの能力はグローバルな競争で遅れをとっており、これを高める必要がある。
過去にはSTEM(Science,
Technology, Engineering and Mathematics)教育や社員訓練が米国の強みであり、製造業におけるリーダーシップを支えていた。

(4)"pro-trade" (自由貿易)policy

関税や輸入障壁を減らし、公平な条件での貿易を推進すべし。
多角的貿易交渉を進め、主要貿易国と対等の扱いを確保すべきだ。

(5)代替エネルギー政策

業界の競争力維持のための豊富なエネルギーが必要

(6)規制改革

環境規制は必要だが、イノベーションを止めたり、科学的根拠なしの規制が多い。

(7)税制

製造業を支える税制が必要。
 米法人税率はOECDで2番目に高い。
 他国と異なり、全世界の利益に課税される。
 R&Dの税額控除は主要OECD国で23番目。

(8)裁判制度の改革

原告側弁護士は企業に不当な賠償を請求しすぎである。

ーーー

米国は将来の雇用創出のため、製造業にインセンティブを与える戦略的統合アプローチが必要が必要で、景気対策のためのパッチワークのインセンティブでは不十分である。

米国がグローバルな競争に打ち勝つためには高度の製造業のプランが必要である。アメリカが製造業を諦めれば、子供たちの将来はないと説く。


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http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

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