ダウ、スチレン系事業売却完了

| コメント(0)

ダウは617日、投資会社Bain Capital Partnersへの16.3億ドルでのスタイロン事業売却が完了したと発表した。

Styronは合成樹脂・合成ゴム・ラテックスを扱う株式非公開のグローバルな会社となり、ダウは同社に7.5%を出資する。ダウとスタイロンの間には長期の供給契約やサービス契約が結ばれる。

ダウは本年32日に、スタイロン事業を Bain Capital Partners16.3億ドルで売却する契約を締結したと発表した。この中では、ダウは新会社に15%まで出資するオプションを持つとしていた。
   2010/3/3 
速報 ダウ、スチレン系事業を売却

 

付記
Styron will change its name to Trinseo, effective in late 2011.

Styronの社名はスチレン系からきているが、同社はSMやPSを今後も中心とはするが、それ以外にも展開する計画であり、社名を変更する。

TrinseoはIntrinsic(「固有の」、「本質的な」、「内在する」)から取った。
同社の製品や技術が、需要家の製品にintrinsic な役割を果たし、需要家の成功に不可欠なものになるという意味。

なお、PSの商標は従来通り Styron を使用する。

 

売却事業は2009年に37億ドルの売り上げがあり、世界各地の13カ国20箇所に工場を持ち、従業員は30カ国に約2000人。

含まれる製品は以下の通り。
 PS、ABS、SAN、EPS
 エマルジョンポリマーstyrene butadiene latex, terpolymer, acrylic latex)
 PC、PCコンパウンド
 合成ゴム(Low Cis BR、High Cis BR、E-SBR、S-SBR)
 自動車用プラスチック
 スチレンモノマー(数工場)

同社は2007年にChevron PhillipsとのSM/PSの50/50JVAmericas Styrenicsを設立、米国と南米のPS工場を拠出したが、この持分も売却対象に含まれる。

ーーー

ダウはロームアンドハース買収のための借入金返済のため、多くの事業を売却してきた。

ダウの Liveris CEOは、今回の売却で非戦略事業売却で50億ドルを確保するという目標を5四半期で達成したとし、この資金で借入金を返済するとともに、より成長力があり、より高収益の事業への投資を行うと述べた。

主な売却は以下の通り。

  ・R&H子会社のMorton Salt 売却(17.0億ドル)
 ・塩化カルシウム事業の
Occidental Petroleumへの売却(2.1億ドル)
 ・
Total とのJVTotal Raffinaderij Nederland N.V. Total への売却(7.25億ドル)
 ・Petronas とのJVのOptimal グループ3社の持分のPetronas への売却(6
.6ドル) 
 ・スタイロン(16.3億ドル)


目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


コメントする

月別 アーカイブ