International Year of Chemistry 2011

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キュリー夫人のノーベル化学賞受賞から100年目にあたる2011年は「世界化学年:International Year of Chemistry」である。

2008年の63回国連総会は、2011 年を世界化学年と制定する決議を採択し、UNESCOと国際純正および応用化学連合(IUPAC)をこの活動の中心団体に指名した。

統一テーマは“Chemistry - our life, our future”で、この1年を通して、化学が生み出した技術と学問的成果を祝福し、その知識への貢献と、環境保護および経済発展への貢献を祝福することになる。

2011年はIUPACの前身の国際化学会協会(IACS)の発足100周年でもある。
IACS IUPAC(1919年設立)は,命名法と用語の標準化によって化学者の国際的な学問的情報交換と協力の必要性に注意を向けるために発足した。

IUPAC幹事会は2007年に「2011年をInternational Year of Chemistryに制定する」決議を行った。

その後、アフリカ化学協会連合(Federation of African Societies of Chemistryのホスト国であるエチオピアがキュリー夫人のノーベル化学賞受賞から100年目にあたる2011年を「世界化学年」とするよう提案し、UNESCOがこのエチオピア提案を国連が承認するよう支援した。

これを受けて8月6日、日本化学連合、日本化学工業協会など化学関係の産学官が団結して「世界化学年」事業を推進する組織として「世界化学年日本委員会」が設立され、野依良治・理化学研究所理事長が委員長に就任した。

野依委員長は、「世界化学年」事業の目的は(1)化学に対する社会の理解の増進(2)若い世代の化学への興味の喚起(3)創造的未来への化学者の熱意ある貢献への支援(4)女性の化学における活躍の場の支援―であり、世界各国が連動して化学に関する啓発・普及活動を行うところに意義があると説明した。

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Marie Curieは1911年に「ラジウムおよびポロニウムの発見とラジウムの性質およびその化合物の研究」でノーベル化学賞を受賞した。

女性としては最初のノーベル賞受賞者であり、物理学賞と化学賞を受けた唯一の人物である。また、一族4人で5つのノーベル賞を獲得した。

Pierre Curieとともに、ピッチブレンド(瀝青ウラン鉱)の残渣からラジウムとポロニウムを精製、発見し、1903年に「放射能の研究」で夫婦でノーベル物理学賞を受賞した。

娘のIrène Joliot-Curieyとその夫Jean Frédéric Joliot-Curie(結婚で双方の姓を組み合わせてJoliot-Curieとした)が、1934年にアルミニウムへα線を照射することによって世界初の放射性同位元素の製造に成功し、1935年に「人工放射性元素の発見」で化学賞を受賞している。

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2007年はプラスチックが初めて誕生してから100周年であった。
1907年にベルギー系アメリカ人のベークランド博士がフェノール樹脂(商品名:ベークライト)を開発した。

2006/2/15 プラスチック100周年 

2009年は「合成ゴム100周年」であった。
バイエルの
Fritz Hofmann 1909年9月12日、「合成ゴム製造過程」に関する特許を取得した。

2009/7/6 合成ゴム100年


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