チッソ、「事業再編計画」に基づく、新会社「JNC株式会社」を設立

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チッソは1月11日、「事業再編計画」に記載した事業会社を1月12日付で設立すると発表した。

(1)商  号    :JNC株式会社
(2)主な事業内容  :化学品の製造販売
(3)資本の額    :150百万円
(4)出資比率 :チッソ 100%

今後、同計画に則り、本年3月末を目途として、同社が営んでいる機能材料分野、化学品分野及び加工品分野等の事業活動を継続するために必要な土地、設備など有形・無形の事業財産を今回設立した事業会社に譲渡する予定。

チッソは2010年11月12日、水俣病被害者救済特別措置法(特措法)に基づき、同社を補償部門と事業部門に分社化する「事業再編計画」の認可を松本龍環境相に申請し、12月15日に認可を取得したと発表した。

事業開始は2011年4月1日の予定で、同社の創業日が1月12日(1906年、曾木電気)であるところから、1月12日付で設立した。

2010/11/15  チッソ、事業再編計画の認可申請

社名のJNCはJapan New Chissoの意味で、社名をめぐってはチッソ」という名称は一定のブランド力があり、残すべきだとする意見の一方、「チッソ」の名称が残れば「分社化後も水俣病が連想され、事業に支障が及びかねない」との意見があったという。
被害者の中には「チッソ」という名称を使用しないことを「水俣病からの責任逃れ」と受け止める人もいたことから、一定の配慮を示したとみられる。(西日本新聞)

親会社は当面、子会社の株式配当益で補償業務を担い、3年後をめどに株式を他者に全面譲渡、譲渡益を熊本県に納付して補償業務を委ね、清算する構想。

付記

チッソは2月8日、事業譲渡について、大阪地方裁判所の許可を得たと発表した。

「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法」(平成21年法律第81号)第10条には以下の規定がある。

当該特定会社は、会社法の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、次に掲げる事項であって、前条第一項の認可を受けた事業再編計画に記載されたものを行うことができる。
一  事業譲渡
二  資本金の額の減少

前項の許可があったときは、当該代替許可に係る事項について株主総会の決議があったものとみなす。

同社では、「JNC株式会社」からの配当を受け、事業譲渡後もこれまでどおり水俣病認定患者の補償を続け、また、水俣本部における患者センターの体制を強化し、その活動を一層充実させるとともに、国や関係県が認定患者の福祉の向上を目的に行う諸施策に積極的に協力してまいりますとし、さらに、本年中に、水俣製造所において「竹バイオエタノール」「有機ELの製造」等の事業を立ち上げ、地域経済の振興や雇用の確保に対し、これまで以上に尽力するとしている。

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