15歳未満で初の脳死移植

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交通事故で関東甲信越地方の病院に入院していた少年が改正臓器移植法に基づき15歳未満で初めて脳死と判定され、提供された臓器の移植手術が全国5病院で行われた。

少年は交通事故による頭部外傷で12日に脳死と判定され、13日朝に臓器が摘出された。

心臓と肝臓、腎臓の移植手術は13日中に大阪大病院など3病院で、膵臓ともう一つの腎臓を同時に移植する手術は14日未明に藤田保健衛生大病院で終了した。肺は再開したばかりの仙台空港を使って東北大病院に搬送され、14日に移植手術が終了した。
いずれの患者も容体は安定しているという。

心臓  10代の男性 大阪大 
肝臓 20代男性 北海道大
片方の腎臓 60代男性 東京女子医大
片方の腎臓と膵臓 30代の女性 藤田保健衛生大(愛知県豊明市)
両肺 50代女性 東北大  

心臓については、「18歳未満から提供された心臓の移植は、待機患者として登録した時点で18歳未満だった人を優先する」との厚労省の新選択基準が初めて適用された。

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2009年7月13日午後の参議院本会議で、脳死後の臓器提供の年齢制限を撤廃し、本人の意思表示がなくても家族の承諾で提供を可能とする臓器移植法改正案(A案)を賛成多数で可決、成立した。

参院では衆院から送られたA案に加え、参院で提出された修正A案、子どもの脳死臨調設置法案の3案が審議された。

  従来の法律 A案 修正A案 子どもの脳死臨調
設置法案
脳死位置づけ 提供時に限り
人の死
人の死
(現行法規定削除)
         現行法と同じ
臓器提供の条件 本人の書面同意と
家族の同意
     家族の同意
     本人が生前に拒否可能
現行法と同じ
提供可能年齢 15歳以上          0歳以上 内閣府に「子ども脳死
臨調」を設置
その他 移植術を受ける機会は、
公平に与えられるよう配慮
親族への優先提供 提供者の家族への
精神的支援検討など
付則に明記
生体移植のルール検討

採決は、A案修正案、A案、子どもの脳死臨時調査会設置法案の順で行われた。

A案修正案は否決され、A案が可決、「子どもの脳死臨時調査会」の設置を盛り込んだ対案は採決されず廃案となった。

これにより15歳未満の子どもが家族の同意で臓器提供ができるようになった。

2009/7/13 臓器移植法改正案 成立

改正臓器移植法は2010年7月17日に施行された。(「親族への優先提供の意思表示」は2010年1月17日から施行)

改正法の施行まで年平均で6例程度だった脳死移植は、改正後の9カ月で42例まで増えた。


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