三井石油開発子会社とAnadarko、BPを訴え

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2010年4月20日夜、ルイジアナ州ベニス南東約84キロで掘削中の海洋掘削プラットフォームDeepwater Horizon rig で爆発事故が発生、大量の原油が流出した。

2010/5/4  米の原油流出、環境や漁業に影響

同年9月19日、BPは井戸の封鎖が完了したことを確認した。

2010/9/20 メキシコ湾原油流出事故ーBottom Kill 作業完了

事故を起こした鉱区Mississippi Canyon 252の権益保有者は以下の通り。

BP Exploration and Production Inc. 65.0% (Operator
Anadarko Petroleum 25.0%
 三井石油開発子会社 Moex Offshore LLC 10.0%

事故から1年が経ったが、現地での環境回復作業や補償手続きは続いている。

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三井石油開発の子会社のMoex Offshore LLCAnadarko Petroleum 2011419日、BPを訴えた。

両社はNew Orleansの連邦判事に対して、BPがパートナーシップ契約に違反しているとして、原油流出事故による損害や復旧費用の負担の責任がないことを確認するよう求めた。

Moex Offshoreは訴状の中で次のように述べている。

死亡や人的被害への責任、クリーンアップ費用、経済的損害、投資損失、逸失利益、流出に伴い将来課せられるかも分からない罰金など、同社に求められる予見可能の損害の原因はBPの行動によるものである。

両社は爆発や原油流出にはなんらの責任もないとし、リグの所有者のTransoceanに対しても重大な過失があるとして非難している。

これに対して、BP側は両社が持分相当の負担をすることを求めている。

2010年度Annual Report で以下の通り述べている。

Operating AgreementではMoexAnadarkoは全てのコストと債務を持分に応じて負担することとなっている。
重大な過失か故意に基づく違法行為の場合はその社が単独で責任を持つが、
BPは、Operating Agreementや法律に照らして、重大な過失も故意に基づく違法行為も犯していないと信じる。

2010年12月末時点で、両社に60億ドルの請求を行っており、これは契約上、回収可能と信じている。今後発生する費用についても負担を求める。

両社はBPに重大な過失、故意に基づく違法行為があるとして支払いを留保しているが、重大な過失、故意に基づく違法行為があるかどうかに関しては法的手続きを行う。
最終的には契約に基づき、調停にかけて、請求分の支払いを求める。

付記
BPは2011
4月に両社に "notice of dispute"
を送付した。
契約では
"notice of dispute" 送付後190以内に解決しない場合、調停にかけることが出来る。

リグの所有者のTransoceanは、同社の重大な過失を示すような証拠は何もないとしている。

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メキシコ湾の原油流出事故を巡り、米司法省は2010年12月15日、BPと三井石油開発子会社Moexなど計9社を相手取って、損害賠償請求訴訟をルイジアナ州ニューオーリンズの連邦地裁に起こした。

2010/12/17 米司法省、BP原油流出事件で提訴

対外的には、MoexAnadarkoも同油田のオーナーとして損害賠償責任や罰金の対象となる。
このため、直接支払いを求められるものについては、両社は一旦支払いを行ったうえで、
BPに求償することとなる。

今回の訴えは、BPからの請求を拒否するとともに、外部からの両社への支払請求を避ける意味もある。


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