中国経済の変調

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中国の6月の経済統計が順次発表されているが、中国経済の変調が見られる。

1)消費者物価指数と生産者物価指数

中国国家統計局が7月9日に発表した6月の 消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)はともに予想を下回る結果で、需要減退の兆候が見られる。

消費者物価指数は前年同月比2.2%上昇で、市場予想の同2.3%上昇を下回った。伸び率は3カ月連続で縮小した。

うち、食品は3.8%、非食品は1.4%であった。
食品のうち、豚肉は12.2%(前月は-0.6%)。




同時に発表された6月の生産者物価指数(PPI) は前年同月比2.1%の下落となった。伸び率は11か月連続で縮小している。

エコノミストは、「中国にとって、インフレはもはや脅威ではなくなった」と指摘、「物価の下落ペースが速過ぎ、デフレ観測が高まれば、当局はさらに金利を引き下げるだろう」との見方を示し ている。

温家宝首相は8日、「中国の景気は現在おおむね安定しているが、引き続き大きな下振れ圧力に直面している。政策の微調整をさらに進めるべきだ」と指摘。「信用の構造的ひっ迫を効果的に解決するため慎重な金融政策を維持する一方で、構造的な減税政策の改善に注力しながら、積極的な財政政策を引き続き行うべき」と述べた。

但し、「現在、不動産市場の調整は依然として重要な段階にあり、われわれは断固たる姿勢で抑制策を続け、投機的な不動産投資との戦いを長期的な政策としなくてはならない」と述べ、住宅価格の「妥当な後退」を達成する方針をあらためて表明した。

2)輸出入

中国税関総署は7月10日、貿易統計を発表した。

2010年、2011年は輸出入とも大きな伸びを示したが、本年上半期(1~6月)は急減速し、輸出は前年同期比9.2%増、輸入は6.7%増と、いずれも1桁の伸びにとどまった。

欧州の債務危機が中国を直撃した。内需不振で輸入も低迷した。

上半期のEU向け輸出は前年同期比0.8%の減。
米国向けは13.6%増、ASEAN向けは16.8%増、日本向けは8.1%増。

6月単月では輸出は前年同月比11.3%伸びを示したが、前月は15.3%であった。
輸入は前月の12.7%の伸びに対し、6.3%の伸びにとどまった。

 

3)GDP

中国国家統計局は7月13日、2012年第2四半期の国内総生産(GDP)伸び率が前年比 7.6%になったと発表した。
2009年第1四半期以来の低水準。

上半期の伸びは 7.8%。

 

4)人民元

2月29日の終値6.2936元/$を最高値とし(一時高値は2月10日の6.2884元/$)、その後下降を続けている。

4月16日からは変動幅を基準値の±1.0%に拡大したが、最近は従来の -0.5% の変動幅を超えている。

中国の経済成長が鈍化する中、輸出促進に向けて中国人民銀行が元高を抑制するとの観測が強まった。


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中国人民銀行は7月5日、前回の6月7日に続き、2カ月連続で利下げを行った。実施は7月6日。

2012/7/6    中国、2カ月連続で利下げ



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