千代田化工、自社酢酸技術をPetrobrasに供与

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千代田化工建設は10月23日、自社開発した酢酸技術がPetrobrasのGas-to-Chemical complexに採用されたと発表した。

年産20万トン規模で、2013年末までに初期設計を完了の予定。契約金額は非公開。
同社は、酢酸製造技術の実施許諾、技術支援、トレーニング等を行う。

千代田化工建設が開発した酢酸製造技術(ACETICA)プロセスは、メタノール・カルボニル法酢酸製造プロセスのひとつで、同社が自社開発した固体触媒を利用し、原料のメタノールと一酸化炭素を高収率で酢酸に転換する。

高性能な固定化触媒

メタノールのカルボニル化反応にはロジウム錯体が触媒としてよく使われるが、反応液に溶かすために、大量の水が必要で、大量の水は助触媒であるヨウ化メチルと反応して腐食性の高いヨウ化水素酸を生成し、プラントの腐食を引き起こす。
また、製品酢酸から水を分離するのに大量のエネルギーを消費する。

これらの課題を解決する狙いで、千代田は高温に耐えられるビニルピリジン樹脂を開発し、ロジウム錯体を樹脂上に固定化することに成功した。

循環気泡塔型反応器

樹脂触媒を活用できる循環気泡型反応器を採用

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Petronasは2012 - 2016事業計画で、ガスとエネルギーに135億ドルを投じる計画をつくった。その42%が肥料関係である。
狙いは以下の通り。

ブラジルは海上油田開発で大量の副生ガスを生産するが、これを利用したい。
ブラジルはチッソ肥料の半分を輸入に頼っている。

副生ガスで肥料を生産

この計画の一環として、Petrobras は既に年産303千トンの硫安工場をLaranjeiras工場に建設中で、2013年に完成する。

2014年にはUFN-III(unit of nitrogen fertilizer N°3:チッソ肥料第三工場)を Matto Grosso do Sul 州のTres Lagosでスタートさせる。

これは以下の構成となっている。
  尿素 年産120万トン
  アンモニア 80万トン
  粒状尿素  4千トン

更に2012 - 2016事業計画には、UFN-Vとして Matto Grosso州のUberabaでアンモニアの生産を行う計画が含まれている。

今回千代田化工の酢酸技術が採用されたのは、Braskemがこの一環として、Esperito Santo州Linharesで行うUFN-IV(Unit of Nitrogen Fertilizer N°4)の一つ。

UFN-IVは総額30億ドルとされ、年産100万トンの肥料を製造するもので、以下の製品を含む。

尿素、アンモニア、メタノール、酢酸、ギ酸、メラミン。

UFN-IV全体の設計その他の業務はFoster Wheelerが受注している。

計画では全体のスタートは2016年となっている。

 

 

 


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