豪州イクシスLNGプロジェクトのファイナンス契約締結

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豪州Ichthys (イクシス)LNGプロジェクトのオペレーターの国際石油開発帝石(INPEX)は12月18日、国内外の輸出信用機関8行および市中銀行24行 (邦銀は7行)等との間で、総額200億米ドルを限度とするプロジェクト・ファイナンスに係る融資関連契約に調印した。
国際金融市場において過去に組成されたプロジェクト・ファイナンスの中でも最大規模となる。

本プロジェクトの総投資額は340億米ドル。
国際石開帝石では、これでほぼ資金調達のメドはたったとしている。

Ichthys LNGプロジェクトは、日本企業がオペレーターとして主導する初の大型LNGプロジェクト。
産出される天然ガスを、Darwinに建設する陸上プラントで液化し、年間840万トンのLNGと年間約160万トンのLPGとして生産・出荷する。
また、洋上貯油・出荷施設(FPSO:Floating Production, Storage and Offloading)等から日量約10万バレル(ピーク時)のコンデンセートを生産・出荷する。

LNGについては既に2017年から15年間の長期LNG売買契約を締結しており、7割相当が日本に仕向けられる。

権益比率は以下の通り。
各社は開発鉱区および探鉱鉱区の権益ならびに下流事業会社イクシスLNG社(液化・販売等を行う事業会社)の株式を取得する。

INPEX 66.070 %
Total 30.000  
東京ガス 1.575  
大阪ガス 1.200  
東邦ガス 0.420  
中部電力 0.735  

詳細は 2012/1/16 国際石油開発帝石、豪州イクシスLNGプロジェクト 最終投資決定

プロジェクト・ファイナンスはレンダーおよびプロジェクト参加会社からの融資により構成される。

プロジェクト・ファイナンスはプロジェクトの将来キャッシュフローを返済原資とする資金調達手段の一つで、今回の場合、借入契約上の借入人は下流事業会社であるイクシスLNG社となる。

プロジェクト・ファイナンスの内訳:

輸出信用機関 直接融資  国際協力銀行(JBIC)
韓国輸出入銀行、豪州輸出金融保険公団(EFIC))
50億米ドル
8億米ドル
国内外の市中銀行   輸出信用機関 保証・保険付融資
輸出信用機関 保証・保険無し融資
54億米ドル
48億米ドル
レンダーによる融資合計 160億米ドル
プロジェクト参加会社による融資 40億米ドル
プロジェクト・ファイナンス合計 200億米ドル


日本の市中銀行では、みずほコーポレート銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、新生銀行の7行から融資を受ける。

市中銀行の54億米ドル分の融資については、日本貿易保険(27.5億米ドル)、韓国輸出入銀行、韓国貿易保険公社、蘭Atradius、独Euler Hermes、仏Coface貿易保険会社による保険・保証が付保されている。

ロジェクト参加会社は権益比率に応じてプロジェクトの完工までの債務保証をレンダーに差し入れる。
このうち、INPEX保証負担の一部として、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が20億米ドルを上限に連帯保証する。

 

 

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