大日本住友製薬、「がん幹細胞」治療薬のフェーズ3試験開始、2015年にも上市目指す

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大日本住友製薬は2月18日、第三期中期経営計画を発表した。ビジョンとして、「グローバルレベルで戦える研究開発型企業」「最先端の技術で医療に貢献」を設定した。

経営目標は以下の通り。(億円)

  2012年度
 予想
2017年度
 目標
売上高  3,480 4,500
営業利益 280 800
EBITDA 630 1,100
研究開発費 592 800

 

大日本住友製薬は本年1月、癌幹細胞標的抗癌剤BBI608の大腸癌を対象にした単剤のフェーズ3試験を、米国・カナダで開始した。

がん幹細胞はがん細胞の供給源と考えられているが、がん幹細胞に対する抗がん剤が成功した事例はなく、通常のがん細胞を抗がん剤などでたたいても、がん幹細胞は、生き残るため、がんが再発、転移する。

BBI608と(同時に開発中の)BB1503は、癌幹細胞の自己複製を阻害し、癌幹細胞と癌細胞に細胞増殖抑制・細胞死を誘導すると考えられており、世界初のがん幹細胞に対する抗がん剤となる可能性を有している。


大日本住友製薬は2012年4月、癌領域を専門とするバイオベンチャー企業で、癌幹細胞への抗腫瘍効果を目指して創製された低分子経口剤であるBBI608 及びBBI503 の2 つの有力な開発パイプラインを有するBoston Biomedical Inc.(BBI) の買収を完了し、完全子会社とした。

2012/3/3  大日本住友製薬、米国医薬品会社Boston Biomedical を買収

BBIの買収に伴い、大日本住友製薬は癌領域におけるグローバルな研究開発体制を構築した。

創薬研究の指揮は、BBIのCEOのChiang J. Li が行う。

米国では、BBIを2013年にボストン近郊(ケンブリッジ)に移転し、買収時点の人員30名を、新規採用や日本からの派遣も含めて、100名規模に拡張する。

日本では研究本部から独立した社長直轄の組織としてがん創薬研究所を2012年9月に新設した。総勢約50名。

当面の開発スケデュールは以下の通りで、BB1608については2015年の北米、2016年の国内の上市を、BB1503については2017年の北米及び国内上市を目標としている。

2017年度に世界で8億ドル超の売り上げを目指す。


 

ーーー

同社の研究開発戦略は、アンメット・メディカル・ニーズの高いがん領域と精神神経領域を研究重点領域とし、革新的な新薬の創出に全力を注ぐ。

がん領域では、がん幹細胞の領域で世界をリードするとともに、画期的な製品の継続的創出を目指す。

精神神経領域では、治療満足度の低い症状の改善や、既存薬で充分な有効性が得られていない患者の治療に焦点を当て、統合失調症、うつ病やアルツハイマー病等の研究開発を推進する。

さらに、iPS 細胞などの最先端サイエンスを創薬に応用するとともに、細胞医薬や再生医療の取り組みを強化し、難治性疾患の治療薬の開発にも挑戦する。

大日本住友製薬は2011年4月、京都大学iPS細胞研究所との間で難治性希少疾患の治療法創成を目的とする5年間の共同研究を行うことについて合意し、共同研究契約を締結した。

遺伝子の変異に起因する難治性希少疾患の一つに焦点を当て、その疾患特異的iPS細胞を用いて、産学協同して病気が進行するメカニズムを解明し、患者に特有の疾患関連シグナルを同定してその経路を阻害する治療薬を探索する。





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