サウジ、週末を金曜・土曜に変更

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サウジのKing Abdullahは6月23日、勅令を発し、国の週末をこれまでの木曜・金曜から金曜・土曜に変更することを命じた。今週末から適用される。
サウジと世界の他の諸国との間の週日が異なることによる悪影響と経済機会の喪失に終止符を打つためとしている。

これまでは週7日のうち4日が欧米かサウジのいずれかで金融市場やビジネス世界が休みとなり、週に3日しか相互取引が出来なかったが、今回の変更で週4日が取引可能となる。

「休日変更」を提起したサウジ政府の研究会によると、木曜の休日(年間48日)によって貿易決済や金融取引ができないため、およそ10億ドルの逸失利益があるという。

 
欧米                  
サウジ                  
相互取引 不可能 可能 不可能

        

 
欧米                  
サウジ                  
相互取引 不可能 可能 不可能


イスラム世界ではムハンマドがメッカを脱出した金曜日が安息日となっており、集団礼拝が定めである。

旧約聖書では週の7日目(土曜日)が安息日と定められている。

出エジプト記(モーゼの十戒の四戒):
「安息日を心に留め、これを聖別せよ。---七日目は、あなたの神、主の安息日であるから、いかなる仕事もしてはならない。」

申命記:「あなたの神、主は安息日を守るよう命じられた」

ユダヤ教徒は土曜日にいかなる労働も行わないことが求められる。

イスラエルの週末は、金曜日の日没から土曜日の日没後。

キリスト教の場合は当初は安息日(土曜日)に集まって礼拝を行っていたが、のちにキリストの復活の日である日曜日に礼拝を行うようになった。


このため週5日制になった現在、週末は金曜を挟んで、木曜・金曜とするか、金曜・土曜とするかのどちらかとなる。

GCC 6か国(UAE・バーレーン・クウェート・オマーン・カタール・サウジアラビア)では、サウジ、オマーン、UAEが木曜・金曜で、クウェート、カタール、バハレーンが金曜・土曜であった。

UAEの場合、政府各部局や教育機関では木曜・金曜だが、民間セクターは多くが金曜・土曜としていた。
2006年9月1日から、政府各部局や教育機関も金曜・土曜に変更となった。

オマーンも本年5月1日から金曜・土曜に変更となった。
オマーンでも銀行は早くから木曜開店、金・土曜休みに変更し、一般企業も金・土曜が休みとなっていた。

サウジの場合、2007年に変更案が出たが、諮問評議会(Shura Council)が宗教的理由でこれを拒否した。
今回は Ministry of Civil Service(民生サービス・住宅省)の報告を検討した結果、諮問評議会が本年4月に週日変更の検討を勧告した。

サウジでは勅選議員150名からなる諮問評議会が実質的に立法権を持つ(但し国王が最終決定権)。



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