米の独立系石油会社 Apache、エジプトの権益の一部をSinopecに売却

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米の独立系の石油会社 Apache Corp は8月29日、Sinopec傘下で海外事業を担当するSinopec国際石油勘探開発(Sinopec International Petroleum Exploration & Production)との間で石油・ガスの開発に関するグローバルパートナーシップを形成すると発表した。

提携の第一歩として、SinopecはApacheのエジプトでの石油・ガス開発事業の33%の権利を取得し、31億ドルを支払う。オペレーションはApacheが引き続き担当する。

Sinopecとしてはエジプトの石油・ガス開発への初の進出となる。
中国勢の海外の石油資源の取得としては
本年2月26日に完了したCNOOCによる Nexen買収に次ぐものである。

Apacheは現在、米国の2つの地区、テキサス州とニューメキシコ州南東部にまたがるPermian盆地と、テキサス州とオクラホマ州にまたがるCentral地区Anadarko盆地の開発に力を入れている。
両地区では以前から活動していたが、2つの買収により、活動を大幅に拡大した。

Apacheは2010年7月、BPから総額70億ドルで米国、カナダ、エジプトの石油資産を買収する契約を締結した。対象はパーミアン盆地の油田、西カナダの天然ガス、及びエジプトの西砂漠油田とEast Badr El-din 油田。

2010/7/22  BP、北米とエジプトの石油資産をアパッチに売却

Apacheは2012年5月、Anadarko盆地に312千エーカーの権利を持つCordillera Energy PartnersⅢを買収した。
現金25億ドルと同社普通株630万株を支払う。

これらにより、北米での産出量は2.4倍となった。(但し、借入金も増大した。)

確認埋蔵量は両買収により、石油換算29億バレルから一挙に117億バレルと4倍になり、うち、Permianは37%、Centralは48%と、北米が85%を占めるに至った。エジプトは10%から2%に下がった。他は、カナダ 5%、豪州 3%、北海、アルゼンチンなど。

Apacheは今年に入りバランスシートを強化するため、長期の成長に役立ち、現金を生み出す資産を大事にし、ノンコアの事業を売却するという戦略をたて、本年5月9日の第1四半期決算発表時に、2013年末までに40億ドルの資産を売却すると発表し た。

同社では40億ドルの半分を借入金返済に使用し、残りは普通株の7.5%を買い戻すのに使用する。

同社は7月18日に、Gulf of Mexico Shelf の事業をFieldwood Energy に37.5億ドルで売却すると発表している。

今回の売却もその一環で、今回の取引で目標を上回ることになる。
Sinopecとの提携でエジプトでの開発を継続しつつ、バランスシートを改善する。

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Apache はエジプトで20年以上開発を行っており、970万エーカーの権益を持つ。うち18%が開発済み。

Egyptian General Petroleum とのJVのKhalda Petroleum とQarun Petroleum で運営している。
Khaldaは西エジプトとシナイ半島で事業を行っており、Qarun Petroleum は西エジプトで事業を行っている。

エジプトは政治の混迷期にあるが、Apacheでは同社の事業は遠隔地にあり、問題はないとしている。

Apacheは本年の第2四半期にFaghur盆地(4か所)、Shushan盆地、Matruh盆地、Abu Gharadig盆地で合計7か所の油田・ガス田を発見したと発表している。


Apacheのエジプトでの生産は拡大し続けている。

 




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