Saudi Aramco、韓国のS-Oil株を買い増しへ

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韓国のS-Oilに35%出資しているSaudi Aramcoが、韓国の韓進 グループが所有するS-Oilの株式28.4%を買い取ることが分かった。
最近の株価では買収額は22億ドルになる。買収後のAramcoの出資比率は63.4%となる。

韓進グループは、傘下に海運会社の韓進海運、航空会社の大韓航空(KAL)、陸運会社の韓進などを持つ財閥で物流を中心に事業を展開している。
韓進重工業も元は同一グループであったが、2005年に別グループとして独立した。

韓進グループは2007年に韓進エナジーを設立し、S-OiLの株式28.4%を取得した。

KALと韓進海運の使用する燃料を安価に入手することを狙った。
両社の燃料購入先はGSカルテックスとSKの2社が65%以上を占めていたため、S-Oilにとっても安定供給先の確保ができ、メリットがあった。

2007/3/9  韓国の石油精製 S-Oil に韓進グループが参加


2008年のグローバル経済危機で、海運業は大きな打撃を受け、韓国3、4位企業だったSTX Pan Oceanは2013年6月、大韓海運は2011年1月に法定管理に入り、"2強"の韓進海運と現代商船も2010年から赤字が続いている。

韓進海運の負債総額は急増し、負債比率は2010年末に261%であったのが、2013年6月には775%にもなった。金融機関から背を向けられ、債務返済資金が調達できず、大韓航空に支援を要請した。

大韓航空は2013年12月19日、公開経営説明会を開き、グループの「自救計画」を発表した。

韓進グループは株式、不動産、航空機を売却し、3兆5000億ウォン(33億ドル)を調達、韓進海運への支援資金とする。

売却対象:
 韓進エナジー保有のS-Oil株 28.4% 全て(時価22億ドル)
 
航空機13機ボーイング747-400、ボーイング777-200など機齢が高く燃料の消耗が多い旧型航空機
 
栗島(ユルド)備蓄油基地や教育院などの不動産

S-Oil株はS-Oilの株主であるSaudi Aramcoに売却する。


SaudiAramcoはS-Oilに1991年以降 35%出資している。
(SaudiAramcoは日本では昭和シェル石油に15%の出資をしている。)


 


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