Novartis、GSKとの取引等で事業再編

| コメント(0) | トラックバック(0)

Novartisは4月22日、大規模な事業再編を発表した。

GlaxoSmithKline (GSK) から抗がん剤製品群を買収するとともに、大衆薬事業はGSKの事業と統合し、GSK主体のJVとする。更にインフルエンザ以外のワクチン事業をGSKに売却する。
これとは別にインフルエンザワクチンの売却を進めており、動物薬事業はEli Lillyに売却する。

これにより、Novartisは事業を医薬品、Eye care製品、Generics の3つに絞り込む。

1.抗がん剤製品

GSKの抗がん剤製品を買収し、この分野でのNovartisの主導的地位を更に強化する。
対価は145億ドルのほか、今後の成果に応じ最高15億ドルのMilestoneが付く。

GSKの現在開発中および今後開発する抗がん剤について商業化の権利(opt-in rights) を持つ。

2.大衆薬事業

Novartisの大衆薬(OTC)事業とGSKのConsumer Healthcareを統合し、JVを設立する。
JVは売上高が約100億ドルで、中心となる4分野、健康、口腔衛生、栄養、皮膚の健康において主導的地位を占める。
先進国のみでなく、ブラジル、中国、メキシコ、ロシア等の成長著しい途上国にも拠点を持つ。


NovartisはこのJVに36.5%を出資し、市場株価を基準にする事前に決められた方式に基づく株価で持株を売却する権利を持つ。

3.ワクチン

インフルエンザを除くワクチン事業をGSKに71億ドル(52.5億ドル+18億ドルのMilestone)+ ロイヤリティで売却する。

インフルエンザワクチンについては別途、売却を進めている。

4.動物薬

別件で、Eli Lillyに54億ドルで売却する。

ーーー

Novartisは1997年にSandoz とCiba Geigyが統合して設立された。

Sandozの化学品は1995年にClariantとして、Ciba Geigyの化学品は1997年にCiba Specialtyとして、それぞれ独立している。
種子事業は2000年にAstraZenecaの農薬部門から独立したSyngentaに売却した。

このほか、2007年に医療用栄養食品のMedical Nutrition とベビーフードのGerberをNestleに売却している。
逆に、NestleからEye care 製品(医薬品、手術製品、コンタクトレンズ、OTC製品)のAlconを買収した。(2008年に25%、2010年に52%で、合計77%)

 

2013年の同社の部門別業績は下記の通り。(百万米ドル)

  Sales Operating Income



Pharmaceuticals 32,214 9,376
Alcon (Eye care) 10,496 1,232
Sandoz (Generics) 9,159 1,028

Vaccines and Diagnostics 1,987 -165
Consumer Health 4,064 178
Others - -739
Total 57,920 10,910

   


トラックバック(0)

トラックバックURL: https://blog.knak.jp/knak-mt/mt-tb.cgi/2505

コメントする

月別 アーカイブ