出光興産、米国でのアルファオレフィン事業を取り止め

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出光興産と三井物産は米国に折半出資の合弁会社を設立し、Dow Chemicalからシェールガス由来のエチレンを購入し、アルファオレフィンを生産する計画を進めていたが、5月2日、この事業を断念すると発表した。三井物産も取り止める。

計画では、両社はDow Chemical と提携し、同社が米国湾岸地区にて展開しているエチレン製造供給網を活用して、競争力ある製造コストベースでのエチレンの引取権を確保し、1000億円程度を投じて年産33万トンのアルファオレフィンを製造、製品の一部をDow に販売する 。

2013年3月に3社間で原料調達と製品の一部販売に関し基本合意に達しており、2014年に最終投資判断を行い、2016年の生産開始を予定していた。


計画断念の理由はコンビナートの建設費の増加で、「シェール関連の開発が活発になり、米国で資材や人件費が上がっている」としている。

出光興産は2014年3月期決算で、これまで進めてきた機材調達、コンビナートの設計、用地整備などの費用 42億円を特別損失に計上した。

当初のFSがどうであったか不明で、建設費の当初予想との差額も明らかにされていないが、競争力あるコストベースのエチレンを使用するとしても、競争相手のエチレンのコストも下がり、販売価格も下がる筈で、米国内での販売を狙うのであれば、多額の投資での新設ではやっていけないのかも分からない。

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出光のアルファオレフィン (商品名:リニアレン)は出光独自の技術でエチレンを重合させてできる、末端に二重結合を持つ直鎖のオレフィンで、重合度合により、炭素数4~24の幅広いグレードがある。

  • 同社独自の技術 (世界最高水準の高純度製造技術により石油学会賞、触媒学会技術賞を受賞)
  • 芳香族化合物、ジオレフィン化合物などの不要物を含まない
  • 二重結合が直鎖の内部に移動した内部オレフィンが少量で、高いαオレフィン純度をもっている
  • 直鎖率が高いため、高純度・高性能の製品を製造するのに適する
ルファオレフィンの用途は、ポリエチレンなど合成樹脂の添加剤、洗剤、高機能潤滑油、製紙用薬剤など多岐にわたり、世界需要は300万トンを超え、今後も安定的な伸長が見込まれ る。

Dow Chemical はリニアアルファオレフィンの大需要家で、同社のPerformance Plastics 部門で、LLDPE(DOWLEX™)、エンハンストポリエチレン樹脂(ELITE™)、EPDM(NORDEL™)、ポリオレフィンプラストマー(AFFINITY™ )、ポリオレフィンエラストマー(ENGAGE™)などの高機能製品の生産に使用している。

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Dow Chemical も5月2日、これについて発表を行った。

本計画の取り止めに関わらず、Dow Chemical が進めているシェールガスを原料とする戦略的なエチレン計画は予定通り進めており、アルファオレフィン用に予定していたエチレンの他の用途での使用をいくつか評価している。
更に、リニアアルファオレフィンの購入については既存の供給ネットワークを利用する。

 



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