出光興産、シェールガス由来ブタンを輸入開始

| コメント(0) | トラックバック(0)

 

出光興産は8月5日、同社とカナダのAlta Gas のJVのAltaGas Idemitsu JV Limited Partnership が株式の2/3を保有するPetrogas Energy Corp.が、米国西海岸にあるワシントン州のFerndale LPG基地から日本向けにシェールガス由来を含むカナダ・米国産ブタンの輸出を開始すると発表した。

出光のグループ企業のアストモスが8月上旬にブタンを積み込み、海上輸送により、8月中旬に出光興産千葉製油所へ搬入する。
同社では石油化学原料用途とする予定。

ーーー

出光興産とAltaGasは2013年2月、カナダ産のLNGとLPGのアジア向け輸出・販売の共同事業に関する可能性を調査するため、50/50の合弁会社とパートナーシップを設立することに合意した。

  合弁会社 リミテッド
 パートナーシップ
業務 事業の意思決定 事業の遂行
社名 AltaGas Idemitsu Management AltaGas Idemitsu
Joint Venture Limited Partnership
出資
出光   50%
AltaGas   50%
   
AltaGas Idemitsu
    Management
  0.01%
出光 49.995%
AltaGas 49.995%


両社は
、天然ガスの液化設備をカナダ西海岸に建設することについてFSを実施し、2014 年完了を目指す。
合わせてLPG の輸出・販売についても、冷凍・液化設備、販路などについて共同調査を行う。

2013/2/1    出光興産とAltaGas、カナダ産LNG、LPGのアジア向け輸出共同事業でパートナーシップを締結

出光興産は2013年10月25日、AltaGas Idemitsu JV Limited Partnershipが、カナダ西部および米国を中心にNGL、LPGおよび原油のマーケティング、物流、貯蔵、トラック輸送、抗井掘削用液体の製造、販売を行っているカナダのPetroGas Energy の発行済み株式の2/3を取得する契約を締結したと発表した。
2014年3月1日に手続きを完了した。

2013/10/30 出光興産、カナダのPetroGasに資本参加 

出光興産と三菱商事は、LPGの輸入・トレーディング、国内物流、販売のすべての面を統合する ため、2006年4月1日に出光ガスアンドライフと三菱液化ガスを事業統合し、アストモスエネルギー(Astomos:明日を灯す)を設立した。(出光興産 51%、三菱商事 49%)

アストモスは世界のLPG海上貿易シェア15%を取り扱い、大型冷凍LPG輸送船21隻の船隊による海上輸送インフラを持つ。

ーーー

PetroGas Energy は2014年3月、Chevron USA Inc. からWashington州Ferndaleにある LPGの貯蔵・出荷設備を買収した。
この設備は、日量30千バレルのLPGの輸出入を行う能力を持つ。
鉄道、トラック、パイプラインでの輸送が可能で、LPGを供給する近隣の2つのリファイナリーにもつながっている。

これにより、
 AltaGasのLPG生産(分留)設備
 PetroGas のLPG物流設備
 アストモスのLPG海上輸送体制
がつながり、米国西海岸から日本・アジアへLPGを輸出する体制が整い、計画より2年前倒しでブタンの輸出が実現した。


同社では、 カナダ・米国のバッケンを始めとしたシェールガス由来を含むLPGを調達することは、供給ソースの多様化だけでなく、豊富なガス生産量に裏打ちされた供給安定性・日本までの輸送距離の近さに伴う経済性の面でも従来と比べて優位性があり、日本のエネルギーセキュリティーに貢献するものと期待して いる。

ーーー

シェール・ガスの採掘では、
いろいろのものが混じって出てくる。
これをセパレーターでシェール・ガス(メタン中心)、Natural Gas Liquid(NGL)、シェールオイル(Tight Oil)に分ける。
NGLはエタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素の総称。

NGL処理プラントでは、硫黄分や重金属が除去された後、深冷分離によりエタン、プロパン、ブタン 等に分離される。

エタ ンは専用のパイプラインで石油化学プラントに送られ、プロパンは一部はプロピレン原料となり、大部分はLPGとして使われる。
ブタンも石化原料やLPGに使われる。

 

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://blog.knak.jp/knak-mt/mt-tb.cgi/2599

コメントする

月別 アーカイブ