米製薬会社 Allergan を巡る買収合戦

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米製薬会社 Allergan を巡る買収合戦が輻輳している。

カナダの製薬会社 Valeant とAllerganの大株主である物言う株主William Ackmanが組んでAllergan買収を目指し、Allerganがこれを拒否し続けている。

他方、Actavis がAllergan買収提案をし、拒否されたが、再度買収を図っている。

AllerganはValeantの買収を防ぐため、Salix Pharmaceuticals の買収を図っている。

 

付記

Allerganは2014年11月17日、Actavisによる660億ドルの買収案に合意した。
買収案に合意した。

この額は、Valeantが最後に提示した額を60億ドル超上回っており、Valeantは、これだけ高額な買収額をAllerganに支払うことは正当化できないとし、買収を断念する考えを示唆した。

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カナダの医薬企業のValeantが2014年4月、Allerganに約450億ドルで買収提案をした 。

Activist Investor(物言う株主)として知られるWilliam Ackmanが率いる投資会社 Pershing Square Capital Management LP は既にAllergan株を10%弱保有しており、Valeantの買収案を支持している。

一方、AllerganはValeantの買収提案を「求められていない提案」と評し、Valeantの提案に抗戦する構えを示した。

Valeantは買取条件を二度にわたり引き上げ総額約530億ドルとしたが、Allerganは6月に、提案金額が同社の価値を著しく過小評価していることに加え、Valeantとの事業方針の違いなどを理由に、取締役会が全会一致で拒否を決めた。

Valeantは、Allerganの高コスト体質が、同社の株主価値を低めていると批判し、Allergan株主に対し、買収実現後は大幅なコスト削減を進めるとアピールしてきた。

 しかしAllerganはValeant に対し、「買収とコスト削減に頼るValeantの成長は持続可能ではない」と批判、Valeantが買収の利点として主張する節約効果を実現するため Allerganの研究開発費削減を進めれば「Allerganの長期的な価値が破壊されることを確信している」と主張した。


そう言いながらも、
Allerganは7月には全従業員の13%に当たる約1500人を削減すると発表した。
組織の簡略化や拠点統廃合などの合理化も進め、2015年中に4億7500万ドルのコスト削減を目指し、株主価値を高めてValeantによる敵対的買収に対抗するもの

Allergan は一方でValeant の敵対買収を防ぐため、8月に下痢や潰瘍性大腸炎の薬を扱うSalix Pharmaceuticals Ltd. に対し買収の申し入れを行った。
第三者と組んで買収を行うと報じられた。

Salixの市場価値は100億ドル以上のため、買収が成功すればAllerganの価値が高まるため、Valeant とAckman氏によるAllergan買収は難しくなる。

SalixはイタリアのCosmo Pharmaceuticalsの100%子会社Cosmo Technologies Limitedの買収を決め、本社をアイルランドに移すとしていた。
法人税率が安い国への本社移転を狙う"inversion" 取引であり、仮にAllerganがSalixを買収した場合、これを利用して本社を海外に移す可能性も考えられた。

しかし、既報の通り、9月に米国が節税のための本社移転の抑制を狙った新規則を発表した。
このため、Salixはメリットが不透明になったとして、25百万ドルの違約金を払って契約を解除した。

Valeant とAckman氏はAllergan の株主の25%の支持を得ているとされ、AllerganのSalix買収の動きに対し、Achman氏はAllerganの取締役会に対し、Salix買収の賛否を問う株主投票を実施せず買収に踏み切る場合には訴訟を検討するとの書簡を送った 。

これを受け、Allerganは12月18日に臨時株主総会を開くこととした。


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Valeantとは別に、2014年8月に米国の医薬品メーカー Actavis plc がAllerganに対し、買収の提案を行った。

Aktavisは日本ではあすか製薬とのJVの「あすかAktavis製薬」を持っている。

これに対し、AllerganはSalixの買収を検討中として提案を拒否した。

しかし、Aktavisは諦めておらず、更にAktavisの筆頭株主の投資信託Fidelity InvestmentsもAllerganの株式を買い増し、買収を後押ししている。

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今後、最終的にどこがどこを買収するのか、注目される。

 


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