日本触媒、食品添加物用有機酸でハラル認証を取得

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日本触媒は10月20日、姫路製造所で製造する食品添加物のコハク酸 、コハク酸2ナトリウム、フマル酸、及びその原料となる無水マレイン酸について、拓殖大学イスラーム研究所判定のもと、日本スリム協会より「ハラル認証」を取得したと 発表した。

ハラル(halal)とはイスラム法において合法なもののことで、逆に非合法なものはハラーム(haram)と呼ばれる。

アッラーが創造したものは、特に禁止された幾つかの例外を除き、ハラルである。
ハラルとされないものの例として、豚肉、血液、お酒があげられる。不浄でもあり、害になるものとされる。

その他ハラルとされないもの
〇シャリア法(コーランとムハンマドの言行を法源とする法)に則って食肉処理されていないもの
〇かぎ爪や鋭い牙がある動物
〇ワニ、亀、蛙など水陸両用の動物
〇かぎ爪のある鳥、捕食性のある鳥
〇ネズミ、ムカデ、サソリ等の有害生物および類似するその他の動物
〇シラミ、ハエ等、不快とみなされる生物

生命に危険を及ぼす海洋動物、植物から作られた飲料、食品は、シャリア法に則って解毒処理が行われた後にハラルとなる。

(ハラル・ジャパン協会による)

今回イスラム法に照らし合わせ厳しい査察・検査を行った結果、イスラム教徒も安心して食し、利用できる製品であることが認証された。
今回の取得を機に、成長市場である東南アジアなどイスラム圏における販売拡大につなげるとしている。


日本触媒は世界で有数の無水マレイン酸
で、これを原料に同社の有機酸類が製造されている。

食品添加物用有機酸とその製法は下記の通り。


 

コハク酸 清酒、合成酒、味噌、醤油、清涼飲料水、製菓等の調味料用
フマル酸
(マレイン酸の幾何異性体)
酸味料、ジュース・サイダー・ラムネ・ドロップ・アイスクリーム・ゼリー・果実缶詰・ベーキングパウダー・水産練製品
SS-50
(コハク酸2ナトリウム6水和物)
「貝の味」を個性味として、シーフード向けに最適な旨味成分、単味で使用される ほか、グルタミン酸ナトリウムとの一定割合併用によって、旨味の相乗効果が高まる。


上記の食品添加物用有機酸は一見、ハラルには無関係のように思われるが、単純ではない。

2001年に「インドネシア味の素」事件が発生した。

同社のグルタミン酸ソーダに豚肉の成分が使われているにもかかわらず、ハラル表示をしていたとして、商品の回収命令が出され、日本人役員ら6人が逮捕された。

同社は材料には豚の成分を使用してはいなかったが、グルタミン酸ソーダ生産のための菌の保存用培地に、豚由来の酵素を触媒として作られた大豆蛋白分解物質が一部使用されていた。

豚由来の酵素はインドネシア味の素の工場で使用されたのではない。

グルタミン酸ソーダは、糖蜜やでんぷんを発酵させてつくるが、発酵菌の栄養源となる培地として、米国から輸入された大豆分解物が使用されていた。
豚由来の酵素は米国で大豆分解物を作る際に使用されていた。

インドネシア食品医薬局としても、最終製品には豚由来の物質は含まれていないとの声明を発表したが、ハラル委員会が当該大豆蛋白分解物質使用はハラル上適切でないと判断したため、ンドネシアの社会保健省は「製造過程で豚の酵素が使用されていたのは、イスラムの教えに反し、消費者保護法に違反する」とし回収の指示を出した。



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