BHP Billiton、分離会社の社名は "South32"

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豪英資源大手 BHP Billitonは2015年前半に非中核事業を切り離して新会社を設立するが、同社は12月8日、新会社の名称を"South32" とすると発表した。

本社を置く豪西部 Perthは南緯32度で、アルミニウムやマンガンなど新会社の資産が集中する南アフリカも同じ緯度にあることが由来。

South 32は2015年5月にBHP Billiton の株主総会での承認を経て発足する。豪 、英、南アで上場する。従業員は2万4000人。

BHP Billitonは分社化により鉄鉱石や銅、石油、石炭の中核事業に経営資源を集中させ、生産性向上やコスト削減を急ぐ 。

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BHP Billitonは8月19日、アルミ、石炭、マンガン、ニッケル、銀などの事業の分離を発表した。
新会社を設立し、現在の株主に新会社の株式を与える。

現在、世界中で41の事業を行っているが、大規模・長寿命の鉄鉱石、銅、石炭、石油、カリの19の事業に集約する。
これらの事業は2014年のグループのEBIT(利息、税金控除前利益)の96%を占める。

分離後も、BHP Billitonは世界最大の原料炭輸出業者であり、鉄鉱石の三大生産者の1社であり、四大銅精鉱輸出業者の1社であり、外国からの米国のシェールへの最大の投資者であり、カナダのSaskatchewan州の世界で最も良いカリ資源の開発者であり続けるとしている。

分離後の同社の事業箇所は下記の通り。


 


分離する事業は以下の通りで、時価総額は約80億ドルに達する。

豪州のCannington は世界最大の銀の生産者。

マグネシウム事業は、豪州の GEMCO、南アのHotazel 鉱山を持ち、豪州のTEMCO、南アのMetalloys は世界トップの精錬メーカーである。

アルミ事業では、豪州のWorsleyは世界最大で最も低コストのアルミナメーカーであり、南アの Hillside、モザンビクのMozal は競争力ある精錬メーカーである。またブラジルにボーキサイト、アルミナ、アルミのJVを持つ。

豪州のIllawarra Coal は原料炭を輸出しており、南アのEnergy Coal South Africaは燃料炭の南ア最大の輸出業者である。

コロンビアのCerro Matosoは高品質のフェロニッケルを生産している。

                            (Operated は自社が運営、Non-operatedは他社が運営、%は出資比率)

①  Cerro Matoso:Operated (99.9%)
  コロンビア北部の露天掘りニッケル鉱山とフェロニッケル精錬所
   
②  Brazilian Aluminium:Non-operated (36-40%)
  Porto Trembetasのボーキサイト鉱山とSao Luisのアルミナ~アルミ精錬のJV
     
GEMCO:Operated (60%)
 
北豪州の世界で最低のコストの一つのマグネシウム鉱山
   
Cannington:Operated (100%)
 
世界最大の銀の生産者、銀・鉛・亜鉛の鉱山
   
Illawarra Coal:Operated (100%)
 
地下の原料炭鉱山で、鉄道・港湾設備に接続。
   
TEMCO:Operated (60%)
 
タスマニア島の高カーボンフェロマンガン、シリコンマンガン、焼結物のメーカー
   
Worsley:Operated (86%)

 西豪州のボーキサイト~アルミナ事業
     
Hotazel Manganese Mines:Operated (44.4%)
 
マンガンの高品質グレード鉱石(露天掘り及び地下)​​
   
Metalloys:Operated (60%)
  マンガンアロイとフェロマンガンアロイのメーカー
   
Mozal:Operated (47.1%)
 
アルミ精錬
   
Hillside:Operated (100%)
 
アルミ精錬(アルミナはのWorsleyから輸入
     

なお、これとは別に、BHP Billitonは5月14日に西豪州のNickel West 事業の売却を検討すると発表した。

しかし、希望の条件では売れず、当面非コア事業として維持する。

 

付記 分離後のBHP Billiton 本体の主な事業は下記の通り。

Jansen カリ計画    Operated (100%)
Onshore US   Operated (<1-100%)
 - 4つのシェールオイル (Eagle Ford, Permian, Haynesville and Fayetteville)
Gulf of Mexico  Operated and non-operated (24-44%)
​- 海上油田(Shenzi、Atlantis、Mad Dog ほか)
Cerrejón Non-operated (33.3%)
​- 露天掘り燃料炭、港湾とそこまでの鉄道
Angostura Operated (45%)
- 海上の石油・ガス開発​
Antamina Non-operated (33.8%)
​- 露天掘り銅・亜鉛鉱山JV
Pampa Norte Operated (100%)
- 銅鉱山(Cerro Colorado、Spence 鉱山ほか)​
Escondida Operated (57.5%)
​- 世界最大の銅鉱山.
Samarco Non-operated (50%)
- ValeとのJVの鉄鉱山、396kmのパイプライン、2箇所の選鉱場
Queensland Coal Operated (50-80%)
​  - Bowen Basinの原料炭の三菱とのJV、三井とのJV
New South Wales Energy Coal  Operated (100%)
 - 露天掘り燃料炭​
Bass Strait  Non-operated (50%)
 - 海上油田​、精製
North West Shelf  Non-operated (8.3-16.7%)
 - 海上油田、精製
Pyrenees  (62%) and Macedon (71.4%), Operated 
- 海上油田、精製​
Western Australia Iron Ore  Operated (85%)
​- Pilbara地区の鉄鉱山、鉄道、港湾


 

 

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