2014年の人民元の動き

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2014年12月31日の人民元終値は1ドル=6.2040元となった。
2013年末は1ドル=6.0539元だった。

人民元は2014年1月14日に過去最高値(終値 6.0412元、一時 6.0406元)を更新した後、下落に転じた。

人民銀行は1月14日に基準値を過去最高値の6.0930元に設定した後、低目の設定をしていたが、2月中旬以降、 基準値を急に下げた。
人民元の一方的な上昇を見込んだ投機筋に対する断固たる措置として、元の下落を誘導したとみられている。

大手国有銀行も人民銀行の要請で元を売っているとされた。

この結果、旧正月の連休直前に下落に転じ、2月20日頃からは急落、終値は基準値を下回るに至った。

中国は3月17日以降、人民元の対ドルでの許容変動幅をこれまでの上下1.0%から2.0%に2倍に拡大した。
それに合わせ、元は急落、4月30日には一時6.2676元、終値 6.2593元と、拡大した変動幅の下限に近付いた。

その後人民元は下落分をいくらか取り戻し、8月中旬には基準値を上回った。

しかし、中国人民銀行は11月21日、予想外の利下げを発表した。

 

貸出金利

 

預金金利

  基準金利

下限

基準金利

上限

2012/7 6.00%

基準 x 0.7

4.20% 3.00%

基準 x 1.1

3.30%
2013/7 6.00%

撤廃

     
2014/11 5.60%   2.75% 基準 x 1.2 3.30%

この中国の利下げに米国の利上げ観測が重なったことも受け、元は再び急落した。

元安は輸出競争力の下支えとなる。

但し、商務部報道官は「為替操作による輸出競争力の向上を必要としていないし、その意図もない」と話している。

 

これまでの人民元の動きは下記の通り。

中国は2005年7月21日に2.1%の切り上げを発表、その後、管理フロート制を取ってきたが、2008年夏の金融危機以降、レートを1ドル≒6.8人民元でほぼ固定してきた。

その結果、米国からの切り上げ圧力が強まった。

2009/11/9 米中貿易戦争、更に激化

2010/3/24 米国、人民元切り上げを要求

中国の中央銀行である中国人民銀行はG20サミットを控え2010年6月19日、「人民元相場の弾力性を強化する」との声明を発表、2008年8月から固定していた人民元を再び管理フロート制に戻した。

中国人民銀行は2012年4月16日、人民元の米ドルに対する変動幅を1日につき上下 0.5%から1.0%に拡大した。



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