Sinopecのロシア進出

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Sinopec は、 プーチン大統領が抗日戦争勝利70周年式典参加で北京 を訪問したのを機に、ロシアのRosneft 及びSibur と提携を深める覚書を締結した。

1) 対 Rosneft

SinopecとロシアのRosneftは9月3日、ロシアの2箇所で共同で石油・ガス開発を行う覚書を締結した。

プーチン大統領の北京訪問を機に、
習近平主席も列席のもと、両社会長により調印された。

SinopecはYurubcheno-Tokhomskoye ガス田を運営するEastern Siberian Oil and Gas Companyと、Russkoye油田の権利を持つTyumenneftegazの株のそれぞれ49%を取得する権利を取得する。

Eastern Siberian Oil and Gas はRosneftの子会社。
Tyumenneftegazは当初は TNK-BP の子会社であったが、現在はRosneftの子会社となっている。

SinopecとRosneftは今後、合同の技術グループをつくり、投資計画を作成する。



Sinopec とRosneft は既に下記の2件で協力し合っている。

(1) Udmurtneft

Udmurtneftはロシアのウドムルト共和国の石油会社で、TNK-BP の子会社であったが、同社が売りに出し、2006年にSinopec とRosneft が共同で買収し、共同運営している。

(2) サハリン3プロジェクト

サハリン3は3つの鉱区に分かれているが、 ウェーニン地区では両社が協力している。

キリンスキー鉱区 Gasprom
アヤシ・東オドプト鉱区 Gazprom
ウェーニン(Venin) 鉱区 Rosneft 74.0%、Sinopec 25.1%

ーーー

2)  対 Sibur

2014年5月のプーチン大統領の訪中時に、下記の契約が締結された。

SinopecとSiburは戦略的協力契約を締結した。今後、取引の拡大やガス処理・石化計画での協力などを検討する。

その一環として、Shanghai Chemical Industry Parkにブタジエンにトリルゴム (NBR) のJVの設立を決めた。

能力:50千トン/
出資:Sinopec 74.9%、Sibur 25.1%
技術:Siburがライセンス

両社は2013年にロシアKrasnoyarsk にNBRのJVを設立している。

能力:56千トン/
出資:Sinopec 25%+1株、Sibur 75%-1株
技術:Siburがライセンス

2014/5/27   ロシアと中国のエネルギー関係契約(2)


Siburは9月3日、SinopecがSiburに出資する計画であると明らかにした。
プーチン大統領の訪中を機に、framework investment agreementが締結された。

SinopecはSiburの10%以上を取得するとされる。

Sibur Holding はロシアの30社以上の石油化学・化学企業を統括し、ガス精製からタイヤ生産まで幅広く手がけている。

1995年設立で、政府が38%出資し、残り62%を上場した。
2001年にGazpromが51%を所有。
2003年にGazprom  25%、Gazprombank 75% となった。

Gazprom はその後、石油化学をnon-core とみなし、2008年にSibur 株をGazfundのエネルギー資産と交換した。
Gazprombankは2010年にSibur 株を個人株主  Leonid Mikhelsonに売却した。

その後も変遷があり、現在の株主は下記の通り。
 Leonid Mikhelson 50.2%   会長(Novatekの創業者・CEO) 
 Kirill Shamalov 21.3%   取締役
 Gennady Timchenko 15.3%   (Novatek 取締役)
 役員等(新旧) 13.2%  

同社は3つの事業部門を持つ。



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