AstraZeneca、米製薬会社 ZS Pharma を27億ドルで買収

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英製薬大手のAstraZenecaは11月6日、米のバイオ医薬品会社 ZS Pharma を27億ドルで買収すると発表した。

AstraZenecaはZSの株主に対し1株あたり90ドルを現金で支払う。11月5日終値に42%上乗せした水準になる。

主力の高脂血症治療薬 Crestor ®の特許が米国で切れたことを受け、心疾患治療薬のポートフォリオ拡充を目指す。

ZSが開発中の高カリウム血症 (hyperkalaemia) の治療薬「ZS-9」が将来、全世界で10億ドルを超える売上高になる可能性を評価した。
ZS-9 は現在、米当局が審査中で、来年5月26日までに承認の是非が判明する見通し。
欧州の販売申請も2015年末に行う。

AstraZeneca は循環器・代謝性疾患を中核に位置づけており、相乗効果が見込める。

カリウムの過剰摂取などが原因の高カリウム血症は、腎臓病や心不全を引き起こすリスクがある。

ZS-9は不溶解性、非吸収性のけい酸ジルコニウムで ion­-trap 技術によりカリウムイオンを取り込む。
ZS-9 は消化管を通り、大便に含まれ排出される。

AstraZenecaは昨年、米Pfizer からの買収提案を拒み独自路線を追求しており、買収で自社の治療薬を補完する。

Pfizerは2014年1月に合併の可能性についてAstraZenecaに打診した。

買収案は現金と合併後の新会社株式で支払う内容で、1株 46.61ポンド、時価総額は587億3000万ポンドとなる。

その後、数度増額したが、AstraZenecaは応じず、Pfizerは5月18日、最終案として1株55ポンド、総額約693億ポンドを提示した。
AstraZenecaは5月19日、この提案を拒否、5月26日、Pfizerは買収断念を発表した。

2014/5/12 Pfizer が AstraZenecaに買収提案


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