丸紅も2016年3月期損益予想を大幅に引き下げ

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丸紅は4月18日、2016年3月期の連結最終損益予想を大幅に引き下げた。
株主帰属当期損益を前回予想比1200億円減の600億円とする。

三井物産、三菱商事、住友商事が大幅な特別損失を計上するなか、同社は2月の第3四半期決算発表では、前期比70.4%増の1800億円とする予想を据え置くとしていた。
北海やメキシコ湾での原油開発にからみ減損損失を計上するが、電力や環境インフラなどの増益でカバーするとしていた。

損益予想の引き下げ理由は下記の通り。

事業分野 内容 当期損益
税引き後    
資源 チリ銅事業 減損損失 -350億円
豪州鉄鉱石事業 減損損失 -200億円
米国等石油・ガス事業 減損損失 -150億円
市況悪化 -50億円
非資源 海外プラント案件 損失引当 -200億円
その他 一過性の要因 -150億円
穀物事業及び鉄鋼製品事業等での減益 -100億円
合計 -1,200億円

同社は2015年3月期にも1,200億円の特別損失を計上している。

減損損失 主な理由 損益
資源 北海の油ガス 5鉱区群 原油価格下落、開発コスト増加 -600億円
メキシコ湾沿岸(1鉱区) 原油価格下落 -175億円
米シェールオイル -175億円
チリ銅事業の減損損失 銅価格下落 -100億円
豪州石炭事業の減損損失 石炭価格下落 -50億円
非資源 Gavilon社「のれん」の減損損失 計画未達による計画見直し -500億円
合計 -1,600億円
税効果 400億円
損益合計 -1,200億円


この時点では、豪州鉄鉱石事業については、高いコスト競争力があり、高品質の鉱石が期待できるため、減損不要と判断したが、今回は減損計上した。

2015/1/29 丸紅、原油価格下落等で1600億円の減損損失を計上

2015年3月期では丸紅が2013年に買収した米穀物大手Gavilonの「のれん」の半分の500億円を減損処理したが、Gavilonの損益は当初予定の半分にとどまっている。

今回の発表に当たり、国分社長は、「ガビロンの収益貢献は当初の計画を下回った。3年前に買収してから毎年、計画未達が続いており、このまま手をこまねいているわけにはいかない。現地に経営を任せてきたが、今は経営陣を入れ替え、我々の意思でリストラなどができる体制に変えた」と述べた。

買収に際し、中国商務部から厳しい条件を付けられた。
2社の合併は「中国の大豆輸入市場への支配力を強め、競争を排除あるいは抑制する」可能性があるとし、
(1)中国向け輸出・販売業務を分離独立すること
(2)例外を除き、丸紅はGavilonから大豆を買い付けてはならない
(3)市場情報を交換してはならない――といった義務を課した。

この結果、買収で目標とした中国市場でシナジー効果を出せない状況にある。

2013/4/26 中国、丸紅の米穀物大手Gavilon買収を条件付きで承認

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丸紅は世界でも有数の銅生産会社のAntofagasta と組み、チリで事業を行っている。

1997年にAntofagastaが60%の権益を保有するLos Pelambres鉱山の権益(現持分35千トン)を取得した。

2008年4月には、Antofagastaが間接的に100%の権益を保有する Esperanza及び El Tesoroのプロジェクトの各30%の持分(前者が60千トン、後者が30千トン)を取得した。
Esperanza鉱山に隣接するTelégrafo鉱山も開発が予定されている。

更に2011年12月には、Antofagastaが100%の権益を保有するAntucoya鉱山プロジェクトに30%の参加を決めた。24千トンの銅地金を引き取る権利を持つ。



これにより、同社のチリで銅地金換算で150千トンの権益を持つこととなった。

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チリの銅事業では、2016年3月期に、三井物産が1,150億円、三菱商事が2,800億円の特別損失を計上している。

両社はAnglo American Surに出資しているが、大幅な銅価格の下落を理由にしている。

2016/3/28 三井物産と三菱商事、減損損失計上で2016年3月期損益予想を大幅に引き下げ

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