三菱ガス化学、インドネシアのアンモニア製造事業に参画

| コメント(0)

三菱ガス化学は10月20日、インドネシアで三菱商事が投資目的会社を通じて出資する現地資本とのアンモニア製造の合弁会社 PT Panca Amara Utama のプロジェクトに参画することで合意したと発表した。

同社は新潟工場で、自社保有の天然ガスを原料として年間132千トンのアンモニアの生産をしていたが、国内需要の減少により非効率な生産体制を余儀なくされていることに加え、設備老朽化により多額の修繕費が必要になったため、2015年7月末に生産を停止した。

生産停止後は外部調達により、アンモニアの外販、および誘導品の製造を継続しているが、インドネシア計画への参画で、アンモニアの安定的な調達を図る。

ーーー

参画する計画の概要は次の通り。

合弁会社名 PT Panca Amara Utama
工場所在地 インドネシア Sulawesi 島バンガイ県
生産品目 アンモニア
生産量 約70 万T/Y (日産2,000トン)
技術 米国KBR
総事業費 8.3 億US$
運転開始予定 2017 年末
建設 PT Rekayasa Industri  (東洋エンジニアリングが一旦受注したが変更)

合弁会社には、インドネシア大手のガス製造会社 PT Surya Esa Perkasa Tbk が59.98%を出資する。
三菱商事がマイナリティ株主として参加している。

三菱ガス化学は恐らく、三菱商事の株(の一部?)を引き受けると思われるが、詳細は不明。

原料は現地の天然ガスで、三菱商事は天然ガスの採掘事業と、天然ガスの液化を行うLNG事業に参画している。

ーーー

三菱商事は2011年1月24日、インドネシアのSulawesi島の同社が主体のLNG製造・販売事業の最終投資決定をしたと発表した。総投資額は約28億ドルとなる。

更に、直後に、インドネシア民間最大手エネルギー会社であるMedco Energy Internationalより、同国中部Sulawesi州に位置するSenoro-Toili天然ガス鉱区権益を20%保有するTomori E&Pの全株式を260百万米ドルで取得したと発表した。

これにより、同社は
Donggi-Senoro LNGプロジェクトの上流から下流にわたるLNGバリューチェーンへの関与を通じてプロジェクトの一体運営を行う。

PT. Donggi-Senoro LNGの概要は以下の通り。

事業内容 LNG製造・販売
設立 2007年12月28日
株主構成 Sulawesi LNG Development59.9%←当初三菱商事 51%
 (三菱商事 75%、韓国ガス公社 25%)
PT Pertamina Hulu Energi 29%
PT Medco LNG Indonesia  11.1%←当初 20%
LNGプラント建設地 Uso area, Sulawesi Island
能力 LNG 年200万トン
コンデンセート 原油換算日量47千バレル
天然ガス
 (
Sulawesi島東部)
Matindok ガス田 Pertamina 100%           
Senoro-Toiliガス田 Pertamina 50%
Medco
  50%→Tomori E&P(三菱商事/韓国ガス)20%
         
Medco E&PMedco 30%

 注)Matindok ガス田はSenoro-Toiliガス田の北方の陸上ガス田。

2011/1/27 三菱商事、インドネシアでLNG計画決定 


PT. Donggi-Senoro LNGは2015年6月から生産を開始した。
年間約100万トンを中部電力、約30万トンを九州電力、約70万トンを韓国ガス公社とそれぞれ締結している長期販売契約に基づいて出荷している。


Sulawesi 島の天然ガス関連事業の構図は下記の通りとなる。

コメントする

月別 アーカイブ