フィリッピンのSan Miguel、石油化学事業推進のため新製油所建設へ

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フィリピンの複合企業 San Miguel Corp. のRamon Ang CEO兼社長は6月13日の年次株主総会で、石油化学の能力拡大のため製油所を建設することを検討していることを明らかにした。

能力は日量25万バレルで、投資額は150~200億ドルのフィリッピンでの最大の単一投資になるとしている。「石油化学製品は価格が安定しており、利益が高く、安定しており、国内の消費も輸出の可能性も大きい」と述べた。

立地については南部というだけで明らかにしていない。

着工後、3年半で稼働することを見込んでいる。海外の2社と協議中だが、守秘条項があり、相手を明らかにできないとする。

San Miguelは子会社に石油会社の Petron Corp. を持つが、ここではなく、新会社が建設する。

石油を精製し、ディーゼル油や灯油、石化製品などを生産する統合プラントを考えている。

資金に関しては、 San Miguelは"too much cash flow"を持ち、まったく問題がないとする。


San Miguelは
また、子会社 PetronのBataan の Limay製油所の増設を計画している。「日量27万バレル程度に拡大する」と述べた。

Limay製油所の現在の能力は18万バレル。年産16万トンのPPプラントをBataanのMarivelesに持つ,


「マレーシアの製油所の拡張も考えている」とも述べた。

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San Miguelは「サン・ミゲル ビール」や清涼飲料、洋酒、食料品を扱う食品会社であったが、2000年代に入り、経営の多角化を加速、2008年には、ビール事業の43%を麒麟麦酒に売却する一方、売却益で有料道路や電力会社、製油所、不動産などへの投資に向け、フィリピン航空や石油大手のぺトロンを始め、銀行や発電所まで持つ巨大企業集団となった。

麒麟麦酒は東南アジア市場への足がかりを得るため、2002年にSan Miguel株の15.55%を取得。その後も出資を重ね、現在ではビール子会社の発行済み株式の48%を持つ。


Petronは1933年設立で、Limayでは日量18万バレルの製油所を運営、32箇所のデポ・石油貯蔵ターミナルを運営、国内に1300のガソリンスタンドを展開している。

フィリピン証券取引所へ上場しており、フィリピン国営オイルl(PNOC) 40%、Saudi Aramco 40%、一般株主 20%の株主構成であったが、2008年に英国の投資会社 Ashmore Groupが、Saudi Aramco の40%と一般株主から11%を取得して51%株主となり、同年末にPNOCの40%も取得した。

その後、San Migel がAshmoreから51%を買収した。



Petronは2011年にマレーシアに進出、2012年にExxonMobil の子会社を買収した。

現在のマレーシアでの子会社は次の通り。

Petron Malaysia Refining & Marketing Bhd   旧 Esso Malaysia Berhad
Petron Fuel International Sdn Bhd  旧 ExxonMobil Malaysia Sdn Bhd
Petron Oil (M) Sdn Bhd  旧 ExxonMobil Borneo Sdn Bhd

Port Dickson 製油所は日量88千バレルの能力で、ガソリン、ディーゼル、潤滑油、LPG、産業用、商業用燃料、航空燃料を生産する。



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