ベビーパウダー訴訟でJohnson & Johnsonに417百万ドルの支払い命令

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Los Angeles Superior Court の陪審は8月21日、スキンケア用品のベビーパウダーが卵巣がんの原因になったとする訴訟で、Johnson & Johnson (J&J) に417百万ドルの支払いを命じる評決を下した。 同様の訴訟では過去最高額となる。J&Jは評決を不服として上告するとしている。


陪審は「40年以上ベビーパウダーを性器の衛生に使い続けたため卵巣がんになった」と訴えたカリフォルニア在住の62歳の女性に賠償金を払うよう J&J に命じた。
女性は11歳の時に使用を開始し、52歳の時(2007年)に卵巣がんと診断された。

ベビーパウダーが原因で卵巣がんになったとして、J&J に対して数千人の患者が訴訟を起こしている。

原材料であるタルクが卵巣がんの原因とみられている。タルクはアスベスト(石綿)と非常に似た構造式を有しており、性質も極似している。
(FDA基準に適合したタルクはアスベストの1種のトレモライトを含んでいない。)

統計によると、米国では17%の女性が習慣的に性器にタルクを使っているとされる。
余分な皮脂や水分を吸収して肌をサラサラな状態に保ち、
女性のデリケートゾーンのできものやかぶれ等を防ぐ目的で使用されてい る。
メーカーの宣伝があったとされる。

1994年にはアメリカの癌予防連合が、習慣的なタルクの使用は卵巣がんのリスクが高いと発表している。
研究によれば、デリケートゾーンに付けられたタルカムパウダーは、内臓に炎症を与えつつ、ガン細胞を成長させながら
子宮、卵管そして 卵巣まで辿り着くことが可能であるとされる。

陪審は、タルク原料の製品の使用に伴うリスクについて、J&J と子会社が警告を怠ったと判断した。認定された賠償義務は70百万ドルに347百万ドルの懲罰的損害賠償 を加えた。

ミズーリ州で過去2年に行われた裁判では5件のうち4件で J&J側が敗れ、最高で110百万ドル、合計307百万ドルの賠償義務を認定する評決が下された。 (後記)

州の陪審裁判がミズーリ州以外で行われたのは今回が初めて。


原告の弁護士は、J&Jは直ちにタルクのリスクを女性に警告すべきだと述べた。10年、20年、30年、40年と毎日使っている女性が国中にいるとしている。

J&J は「J&J のベビーパウダーの安全性は科学が裏付けており、われわれはそれに導かれている」と語り、評決を不服として控訴する方針を示した。
昨年ニュージャージー州の裁判で、裁判長がタルクと卵巣がんを結びつける証拠は不適当として原告2人のの裁判を却下したのを取り上げ、原告の主張は科学的証拠に支持されていないとする。

Superior Court of New Jersey Law Division (Atlantic City)の裁判官は2016年9月、翌10月に予定された裁判を前に、「原告2人はJ&Jのベビーパウダーが癌を引き起こしたという十分な医学的証拠を示していない」として却下した。

ーーー

ミズーリ州で過去2年に行われた陪審員裁判では5件のうち4件で J&J側が敗れている。

原告
勝訴
罰金+懲罰
(百万ドル)
2016/2/24 St. Louis 10+62=72 数十年使用のAlabamaの死亡女性
2016/5/3  St. Louis 5+50=55 数十年使用の女性
2016/10/28  St. Louis 2.575+65=67.5
+2.5
40年使用の女性
(Imerys Talc Americaへの罰金)
2017/3/7 St. Louis X 36年使用のTennesseeの女性
2017/5/5 St. Louis 5.4+105=110 40年使用のVirginiaの女性
罰金合計

307


原告勝訴の陪審裁判はすべてMissouri 州St. Louisの裁判所であり、原告には他州の女性が多い。

J&Jは3月の勝訴を受け、6月に他の全てについて控訴した。

2017年6月19日、最高裁判所はこれに影響する判決を下した。

Bristol-Myers Squibb (BMS)が自社の製品 Plavix(血小板が集まって血栓ができるのを防ぎ、血液の流れを改善する薬)の薬害裁判でのSuperior Court of Californiaの判決に対し、上告していた裁判で、最高裁はBMS勝訴の判決を下した。

原告側は、カリフォルニア州の住民が86人、他の33州の住民が592人で、集団訴訟を起こした。

それに対し、BMSは裁判の実質で争うのでなく、原告側を問題とした。

BMSはカリフォルニア州に本社を持たないとし、原告のうちの592人はカリフォルニア州で薬を飲んだわけではなく、薬はカリフォルニア州で彼らに売るために製造販売されたものではない。
それなのにカリフォルニアで訴えられるのはフェアでないと主張した。

最高裁は8:1で、カリフォルニア州は非居住者に対してはBMSへの裁判管轄権を持たないとし、BMS勝訴とした。

J&Jは直ちにこの最高裁判断を活用し、係争中の裁判(原告3人のうち他州が2人)を無効とするのに成功、過去の敗訴分についても無効を主張している。

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