国際石油開発帝石、カスピ海ACG鉱区の権益期限延長 

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国際石油開発帝石は9月14日、アゼルバイジャン共和国カスピ海海域の最大の海底油田 Azeri-Chirag-Gunashli (ACG)鉱区の権益期限を2049年12月31日まで25年間延長することについて、アゼルバイジャン国営石油会社(SOCAR)との間で合意したと発表した。

既存の契約は1994年9月から30年間で、2024年9月に期限が切れる。

ACG鉱区はアゼルバイジャンの首都バクーから東方約100キロメートルのカスピ海域に位置し、鉱区面積は約432.4 平方キロメートルで、水深は100~400メートル。 生産量は原油日量約58.5万バレルである。

2006年にアゼルバイジャンのバクー市からグルジア共和国トビリシ市を経由し、地中海に面するトルコ共和国ジェイハン市を結ぶ総延長1,768kmの原油パイプライン BTC Pipe Line が完成し、6月4日にトルコ側の積み出し港から第一船の出荷が行われた。

輸送能力は日量120万バレル。

2006/6/7 BTCパイプライン完成

国際石油開発帝石はACG鉱区の開発を行うJVのAIOC (the Azerbaijan International Operating Company)のメンバーであるが、AIOCを主導するBP は2016年12月23日、開発を2050年まで続けることで、同国国営石油会社 SOCAR (the State Oil Company of the Republic of Azerbaijan) と基本合意したと発表した。

2016/12/28 BP、アゼルバイジャンの油田開発を2050年まで継続

その後の交渉で2点が変更された。

1) 延長は2049年12月31日まで。

2 ) SOCAR以外の権益保有者は保有権益の一部を下記の通り、SOCARに対して比例拠出する。

  現状 延長後 参考
BTC Pipe Line
運営会社
BP 35.78% 30.37% 30.10%
Chevron 11.27% 9.57% 8.90%
SOCAR(アゼルバイジャン国営石油会社) 11.65% 25.00%
国際石油開発帝石(INPEX) 10.96% 9.31% 2.50%
Statoil 8.56% 7.27% 8.71%
ExxonMobil 8.00% 6.79%
TPAO (トルコ) 6.75% 5.75% 6.53%
伊藤忠商事 4.30% 3.65% 3.40%
ONGC(インド) 2.72% 2.31% 2.36%
Azerbaijan (BTC) 25.00%
Eni 5.00%
TOTAL 5.00%
CIECO 2.50%


国際石油開発帝石では、権限比率は減少するが、
権益期限延長により、本鉱区における将来生産量及び埋蔵量の増加が期待されるとしている。

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